2011年12月05日

私と同い年の市長〜千葉市行ってきました。

20111205chiba.jpg


鈴木綾子江東区議と久坂誠治神奈川県議とともに、千葉市のITに関する取り組みを調査、、、のはずでしたが、事故渋滞に巻き込まれ、私は遅参をする羽目に。。。

熊谷俊人千葉市長と片桐康之市民自治推進部長のお話を少し伺うことができました。

SNSの活用について至極まっとうなご意見を述べられていました。

SNS等を導入しようとすると必ず高齢者は使えないという反対意見が起きますが、まず高齢者が押し並べてITを活用できないということが誤解であり、使えない人は如何に使えるようにしていくかという取り組みを行っていくべきと。

銀行のATMを事例に挙げていましたが、確かにおじいちゃんもおばあちゃんもATMを使いますし、わからないときは立ってる行員の方に聴けばよいこと。

ちなみに、私の80を超える大叔父夫妻はパソコンを巧みに用い、タイプした手紙やEメールを送るだけでなく、CDのジャケットもデザインします。


たまに議員の中にもパソコンを使えないことに胸を張っている人もいますが、さすがに半数以上の人達が使う時代においては、恥ずべきことだと思います。市民のスタンダードな意識も持てていないわけですから。

本当はこういうことを議員同士で議論すべきなのですが、議会は一番基準が低い人のレベルに合わせようとする傾向があるので、物事は遅々として進みません。

「SNSは議会と相性がよい」とは市長の弁。

大半の議員がこの言葉の意味を理解できたとき、導入は進んでいくのだと思います(あとは、事務局が何事もなかったかのようにこっそり始めてしまう)。



そういえば、熊谷市長は私と同い年です。議員出身者ですが、立場が人を作るとはまさにこのこと、すっかり行政の長の顔でした(といっても初対面ですが)。

優秀な議員が議会に失望して首長に挑戦していく傾向は今後も続きそうです。

@@@
午後は地元にトンボ帰り。

郵送物の封入作業を行いました。

印刷機の調子がおかしくて、住所の出力もおかしくて、スタッフととともに、そして途中からは佐藤正紀大和市議も加わり、夜遅くまで仕分け・封入を行いました。
posted by 菅原直敏 at 22:21 | 調査活動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年11月19日

帰国〜やる気のある仲間達に囲まれて〜欧州調査雑感

20111114fureiburg7.jpg


18日の13:30にフランクフルト空港を離陸する予定であった航空機は、機長の体調不良により機長が交代するというハプニングの下、1時間半遅れで空港を発った。

19日の10:00に成田空港に到着した。8日ぶりの帰国だ。同時に6泊8日の日程で行われた欧州調査が終わりを告げた。非常にあっという間だった。調査日程が密であり、駆け抜けた為だろう。

ストラスブールに入った初日が昔の事のように感じられる。大変充実した調査の毎日だったからだろう。調査先でも良い意味で期待を裏切られ続けた。毎日毎日が知的好奇心を掻き立てられる刺激的な毎日であった。

 様々な調査を実行してきたが、今回の調査は最も充実した調査の一つであった。これは何よりも一緒に調査をした議員や政策スタッフの意識の高さによる部分が大きい。また、「全員」で徹底した事前学習したことも大きい。

 朝一から夜まで調査を行い、調査先の説明をただ受けるのではなく、疑問にあることがあれば徹底的に意見交換し、時には英語を用いてでも疑問を解消する。昼食や夕食時には徹底したディスカッション、部屋に戻れば調査の成果をまとめる等、各議員の意識の高さは私自身にとっても大きな刺激であった。

 例えば、唯一横浜市議会から参加をして下さった伊藤大貴議員は、その日の活動報告を即時にホームページに公開している。ここまで活動的に仕事されてしまうと、私もやらないわけにはいかない。今の時代の自治体議員には、このような良い意味での切磋琢磨が重要であると思う。

伊藤大貴横浜市議のホームページはこちら

 私も含めた視察団が得られた知見は、この調査報告書や各議員のそれぞれの媒体などを通じて報告されることになるが、より多くの方々とこの知見を共有できたら幸いである。
posted by 菅原直敏 at 22:22 | 調査活動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年11月18日

議員による自治体外交

 今回の調査で意識したのは自治体外交である。このような視察の機会は得てして勉強の場と捉えられがちであるが、それだけで終わらせてしまっては非常にもったいない。なぜなら、このような視察は相手方に神奈川県や県内自治体の名前や現状を知ってもらう良い機会だからである。
 特に、今回の調査は各自治体の議長を始め多くの重職に就く方々に対応を頂いた。私達としても出来得る限り神奈川県や横浜市の優位性を訴えることに務めた。多様なりとも私達の自治体を印象付けることに成功したのではないだろうか。
 今後はより洗練された手法によって、独自の自治体外交を進めていきたい。

20111116hamburg.jpg
写真:視察団を代表してハンブルク市への友好の証を署名、女性は市議会議長

また、ハンブルク市はFacebookのページを持っており、私達視察団の訪問も記事にされています。訪問の記事はこちら
20111116hamburg2.jpg
posted by 菅原直敏 at 00:00 | 調査活動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年11月15日

真の分権社会とは〜ドイツ調査報告〜バーデン=ヴュルテンベルク州について

第1節 調査の概要
 午前中にバーデン=ヴュルテンベルク州の政府行程を訪れ、Werner Schempp氏を始めとする州政府職員より、バーデン=ヴュルテンベルク州の経済政策と連邦政府及び基礎自治体との関係も含めた自治制度について説明を受けた後、意見交換を行った。
 次に、バーデン=ヴュルテンベルク州議会を訪れ、Guido Wolf議長より州議会の運営や選挙制度等について説明を受けた後、意見交換を行った。

20111115b-den.jpg

写真:バーデン=ヴュルテンベルク州の政府公邸にて喧々諤々の意見交換の様子


第2節 バーデン=ヴュルテンベルク州の概要
 バーデン=ヴュルテンベルク州は、人口約1,070 万人(神奈川県約900万人)、面積35,700q2(神奈川県2,415km2)であり、ノルトライン=ヴェストファーレン州、バイエルン州に次いで3番目に人口の多い州である。
 歴史的には、西部のバーデン地方と東部のヴュルテンベルク地方から構成され、米仏の占領統治から1952年に合併して新たなる州として発足した。立地的にはフランスとスイスと国境を接し、EU議会のあるストラスブールもライン川を挟んで日帰りの距離にある。
 工業技術等に秀でており、経済的にも力のある州でもあり、ダイムラー、ボッシュ、ポルシェ等世界的に有名な企業が立地することからも、ドイツ国内における位置づけも理解できよう。なお、同州の経済力を一国と見なした場合、欧州における国別の経済力順位においてポルトガルやベルギーといった国を抜いて第7位となる。

20111115B-W_in_Europa_WD_WM.jpg

図表:バーデン=ヴュルテンベルク州の位置
(出典:バーデン=ヴュルテンベルク州のHPより
http://www.baden-wuerttemberg.de/en/In_Europe_and_the_world/86227.html)

 バーデン=ヴュルテンベルク州議会は138名の定数からなる。1953年から2011年まではCDU(ドイツキリスト教民主同盟)が政権を握っていたが、2011年の選挙において、CDUが過半数割れを起こし、緑の党とSPD(ドイツ社会民主党)が連立政権を組んでいる。
 従って、首相は緑の党から選出されているが、州議会(Landtag)の議長は慣例により第1会派CDUから選出されている。
 選挙制度は、69の選挙区と69の比例区から選出する方式を採用しており、今回の選挙ではCDUが選挙区で60議席を獲得したにも関わらず、比例区で緑の党の躍進を許し、僅差においてCDUが過半数の獲得にならなかった。緑の党の躍進は福島原発の事故が大きく影響している。
 なお、神奈川県とバーデン=ヴュルテンベルク州は、1982年に同州からの申し入れにより国際交流が始まっている。1989年に同州首相より友好関係の公式化の申しれがあり、両自治体の友好提携が行われた 。


第3節 バーテン=ヴュルテンベルク州と連邦政府との関わり
ドイツは16州からなる連邦国家であり、連邦政府に付与された権限以外の広範な権限を州政府は擁している。連邦政府が有する限定的な権限(国防、外交等)を除いて、州は様々な分野に対して自己決定権を持つ。教育もその1つである。例えば、日本では国が小中高の教育内容を一律に定めるが、ドイツは州ごとに異なる。従って、州ごとの地域に根差した教育行政が可能となる。
同州では、前述した通り技術系の有名企業が多いことからもこれらの技術を担う人材を育てることが重要な課題であり、そのことが同州の経済力を強めていくことであると認識している。従って、職業訓練校に行きながら週3日間就業できるシステムを確立する等、技術人材の育成に力を入れている。
このように、分権が進んでいるドイツにおいては、連邦と地方の役割分担がはっきりしており、そのことにより地域ごとの相違が生まれ、そのことが良い意味での州間競争を促し、地域の底上げに一役買っている。
政府関係者に、ドイツの分権の是非について伺ったところ、「地方分権にはメリット・デメリットがあるかもしれないが、やはり現在の形がベストである」旨の答えが返ってきた。自己決定権がしっかり担保されているからこそ、地域に合った自治体運営を行っていけること及び良い意味での地域間競争が行われることをその主な理由に挙げていたが、このことはまさに地域の多様性をドイツ国民が志向していると言えよう。


第4節 バーテン=ヴュルテンベルク州と基礎自治体
 州内には広域自治体である郡と基礎自治体である市町村が存在する。また、郡と市の機能を兼ねた独立市という制度もある。例えば、今回調査したシュツッツガルト市やフライブルク市は独立市である。
 ドイツ連邦の地方自治は、その自立権は連邦憲法に明記されているが、自治体のあり方の細部に関しては州の憲法や法律で規定されている。従って、州ごとに基礎自治体のあり方は異なりうる。このことがドイツに地方自治に多様性を与える大きな要因となっている。
 フライブルク市の事例調査でもわかったことであるが、基礎自治体も街づくり等に関して比較的広範な裁量権を有している。このことが各地域の独自の街づくりを可能にし、地域の多様性を生み出している。
 このような基礎自治体レヴェルにおける分権の進み具合も、日本の地方分権の議論について大きな示唆を与えている。

第5節 バーテン=ヴュルテンベルク州議会
●州議会の現状
バーデン=ヴュルテンベルク州議会は、138人の議員からなり、半数が選挙区から選出され、残りが比例区から選出される。戦後は長期にわたってCDUが政権を握ってきたが、今年の選挙において緑の党が躍進し、CDUが政権の座を譲り渡すことになった。緑の党は原発反対の姿勢を従来より示しており、今年3月11日に発生した東日本大震災における原発事故がその大きな躍進理由である。
バーデン=ヴュルテンベルク州は議院内閣制を採用しており、議会棟と政府公邸や各省庁は離れている。日本のように要望・陳情に終始する質問中心の議会運営ではなく、特に与党会派は行政運営に責任を持つ形となっている。
日本においてもこのような地方議会における議院内閣制も一つの選択肢として採用できるように法制度を整備していくことも検討に値するのではないかと強く感じられた。

20111115baden2.jpg

写真:バーデン=ヴュルテンベルク州議会棟

●開かれた議会〜年間4万人の来訪者
 私達が訪れた日は、多くの子ども達で州議会も賑わっていた。州議会を見学するためである。同州議会への年間訪問者数は約4万人に上り、その半数が子ども達だそうである。これは学校の教育プログラムの中に州議会の見学が組み込まれていることにも由来する。この4万人という数字は驚異的な数字であると同時に、この子どもの時の経験が民主主義の担い手である有権者を育てる意義を持っている。
 本県においても子ども達が議会見学をする風景を見かけるが、同州議会の来訪者数と比較すると数字が一桁少ない。県議会や地方自治に対する理解が住民に不足している現状を勘案すると、教育プログラムに高校に入るまでに一度は県議会または市議会を見学することを位置づけることも必要ではないか。

20111115baden3.jpg

写真:州議会議場を見学する子ども達

第6節 総括
●多様な価値観の許容と地方分権の必要性
 バーデン=ヴュルテンベルク州の調査を通じて感じたことは、地方における裁量権を大きくすることで多様な社会構造を許容することの重要性である。このことにより@地域の特性に即した行政運営を行えることとAよい意味での州間競争が行われることで、地域に多様性と活力が生まれるからである。
 日本の中央集権制度はある時期まで一定の成果を生み出してきたが、現在は地域の画一化をもたらし弊害が目立ってきた。ドイツのような視点に立って分権を目指していくことは喫緊の課題であると考える。


●都市制度の意義
 州内最大の都市であり独立市でもあるシュツッツガルト市との関係において、バーテン=ヴュルテンベルク州の位置づけを考えた際、二重行政のごとき問題は日本の県と政令市の関係ほど生じていなかった。また、州への帰属意識が住民に強いため、独立市が州から独立した都市州になることはまったく考えられないことであるとのことであった。
 このような事例を勘案する限り、横浜が神奈川県から独立する際の意義や横浜市民の神奈川県に対する帰属意識というものを改めて考えてみる必要があると考える。

●本県における応用
 第一に、国と県及び県と基礎自治体の関係や役割分担を改め検討し、日本の地方自治のあり方を抜本的に見直す時期に来ていると考える。従って、神奈川県においては従前から提言してきた地方自治法の抜本的改革も含めて継続的に地方自治のあり方を提言していくことが必要であると考える。
 第二に、バーデン=ヴュルテンベルク州とシュツッツガルト独立市との関係は、神奈川県と横浜市との関係における多くの示唆を示している。横浜市・川崎市では大都市制度に関する研究が盛んであるが、このような外国の事例も参考にしながら、本県においても大都市制度に関する研究を行っていくことが重要であると考える。また、議会においても特別委員会を立ち上げるなど対応を行っていく必要がある。その際、横浜市等との協議の場も設けることも一考に値する。
 第三に、州議会における子ども達の見学者数の多さは驚異的である。本県においてももっと県議会や民主主義に対する理解を深めるために、積極的に見学者の受け入れを行っていくべきであると考える。
 最後に、州政府及び州議会の対応を受けて感じたことであるが、彼らは自分達の自治体を売り込むことに大変熱心である。いかなる対応をすれば相手が喜び、自治体を気に入り宣伝してくれるかを心得ている。こういった受入者に対する対応には本県も学ぶべきことが少なくない。
posted by 菅原直敏 at 22:22 | 調査活動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年11月14日

フライブルクの調査から感じられたこと

 フライブルクは、私がかねてから訪問したかった場所の一つである。今まで多くの文献研究を行ってきたが、特に11月5日にフライブルク在住の環境ジャーナリストのドイツの環境政策に関する講演を聴いてからはその思いはさらに強くなった。
 実際に訪れてみての感想であるが、よい意味で私の期待を裏切ってくれた。街は20万人都市であり、私の住まう大和市の23万人と同等であるが、街の活気や街並みの整然さは比較にならないほどであった。学生街ということも関係するのかもしれないが、午後4時くらいにも関わらず市内の中心部は人でごった返していた。日本の20万人として街の中心部にここまで人が集う街があるだろうか。また、街中に華美な行き過ぎた看板がないことが景観に一役買っていた。日本の街並みは無秩序な看板設置によって景観が破壊されていると私は日々感じている。景観は街の財産である、このような景観保全の意識を住民もそうであるが、議員が率先して持つべきではないかと考える。

20111114fureiburg.jpg

写真:トラムすらも囲んでしまう人の多さ

20111114fureiburg2.jpg

写真:トラムの乗客も非常に多い

 このような街づくりを可能にしているのは、住民の意識の高さと明確な目標と戦略に基づいた都市計画によるところが大きい。最新のエコ技術を駆使した住宅群が並ぶヴォーバン地区を視察したが、この地区の取り組みなどはまさに戦略的な都市計画の賜物である。神奈川県でも藤沢市などでスマートシティの取り組みが始まりだしたが、多くの参考になる部分があるのではないかと考える。
 また、ヴォーバン地区はトラムもしっかりと街づくりに組み込まれており、住宅街の中には、緑化された軌道が貫いている。この緑化された軌道とヴォーバン地区の可愛らしい住宅の共存は掛け値なしに素晴らしい景観であると感じられた。視察を共に行った議員達も異口同音にこの地区を褒めていた。

20111114fureiburg3.jpg

写真:ヴォーバン地区

20111114fureiburg4.jpg

写真:ヴォーバン地区の前にあるトラムの軌道、全て緑化されている

 フライブルクの環境における取り組みも至る所で見られたが、やはり街づくりと一体に進められている部分が成果を上げている主因だろう。また、市民の意識の高さからサッカースタジアムの天井に備えた太陽光パネルに対する投資が集まってしまうことも、法律が後押しをしたとは言え素晴らしい(サポーターには別段の投資促進策をサッカーチームがうったようであるが)。
 説明にあたってくれたAndrew F.Kraftさんは大変親切な方で、サッカースタジアムの屋上に登らせて頂いただけではなく、サッカー場内も案内して頂いた。余談であるがFCフライブルクには矢野貴章という日本人選手が活躍している。

20111114fureiburg5.jpg

写真:サッカースタジアムの屋根に取り付けられた太陽光パネル

20111114fureiburg6.jpg

写真:サッカースタジアム内も見学

 百聞は一見にしかずという言葉があるが、フライブルクに関する書籍は多く日本でも出版されているので、それらで百聞した上で、じっくりと一見することをお薦めしたい場所である。この空気感は書籍だけでは伝わらない。
posted by 菅原直敏 at 22:22 | 調査活動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年11月13日

環境に配慮した街づくり〜ストラスブール調査報告その2

●街づくりにおける様々な環境配慮
 ストラスブールを調査すると、自然環境に重きを置いた環境施策は即ち街づくりと総合的に考えられなければならない政策であることを痛感させられる。また、街づくりという視覚的成果が示されることで、住民も自然環境の保護等に対して積極的になっていくという相乗効果も期待される。少なくともストラスブールのトラムの導入にも当初は皆が賛成でなかったことを考慮すると、この街づくりに見える成果が環境施策に与える影響は無視できない。

●パークアンドライド
 ストラスブール市がトラムを導入しようとしたきっかけが、過度に車に依存した社会生活からの脱却であり、環境への配慮であるが、決して車の利用を排除したのではなく、様々な交通機関を利用することによる、交通政策に関する最適解を求めている点が大変重要である。その一つの取り組みがトラムやバスの公共交通機関と自動車利用を組み合わせたパークアンドライドの取り組みである。
 トラムやバスの郊外の乗車場所の近くに自動車の駐車場を設置し、市内中心部への車の流入を低減することで、渋滞の発生による様々な不都合を抑制するのが、このパークアンドライドの取り組みである。
 調査当日は日曜日であり、実際のパークアンドライドの状況は把握できなかったが、現地に赴き、駐車場の規模や駅までの距離など交通の利便性について視察した。

●自転車利用の推進
 ストラスブールではトラムの導入に合わせて、自転車利用の推進も実施してきた。ストラスブールではその多くが車道ではなく歩道に並置される形であった。

20111113strusbourbike3.jpg

写真:歩道に併設される自転車専用道を走る自転車

 このような自転車利用の推進はトラムの推進と共にストラスブールの環境配慮の交通体系の重要な位置づけとされている。トラムに自転車を持ち込み可能にしていることもそのような配慮の表れである。
20111113strusbourbike4.jpg

写真:自転車専用道はわかりやすく示されている
●電線の地中化
 外国人が日本に来て驚くことの一つは電柱の多さだそうである。ストラスブールでは電線をできうる限り地中化する取り組みを行っている。その結果、市の中心部はもちろんのこと、郊外に行っても電柱の地中化が推進されている。実際に、電線が地中化されている工事現場も視察した。
 日本でも景観だけではなく、防災の観点からも電線の地中化が叫ばれているが、その高コスト体質から思うように推進されていない。ストラスブールの地中化の現場を見ると、日本のように導線を保護する空間を確保するのではなく、そのまま埋設していた。費用対効果を考えるとこのような荒いやり方も合理的なのかもしれない。検討に値する。

20111112strusbourgelec.jpg

写真:電線等のインフラの地中化工事の様子
posted by 菅原直敏 at 22:22 | 調査活動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

トラムを中心とした街づくり〜ストラスブール調査報告その1

20111113strusbourgtrum.jpg


ストラスブールにおける調査報告の簡易版を現地よりお届けします。

●夜のトラム運行状況
 12日の夜にストラスブール市内のトラムの運行状況について調査した。19時から21時くらいの時間帯では、郊外地域は人通りもまばらであったが、トラムは頻繁に運行されており、利用客も比較的多かった。市内中心部では、食事をする住民や観光客が見られたが、このような方々が利用をしている。トラムの運行時間は午前4時台から深夜零時前後までとの記載があったが、土曜の夜の状況を見る限りは、深夜の需要は限定的に思われた。


20111112strusbourg.jpg


写真:19時前後のLycee Kleber駅の様子
●自転車が持ち込み可能なトラム
 トラムには自転車を持ち込むことができる。駅は写真のようにオープンスペースであるため、自転車をホームに持ち込むことができる。トラムにも自転車を持ち込むことが許されており、ホームとトラムもバリアフリーなため、容易に自転車をトラム内に運び込むことができる。
 写真で紹介している男性は、年配男性であったが、実際の乗車の様子を見た限り、自転車の運び込みに障壁はないようであった。このように、ストラスブールのトラムは年配者などにも配慮されたつくりとなっている。
20111113strusbourbike.jpg

写真:トラムの到着を待つ年配男性
20111113strusbourbike2.jpg

写真:自転車をトラムに持ち込む男性


●観光客にはわかりつらい購入方法
 様々な利点を持ったストラスブールのトラムであるが、外国人としての不便な部分も感じられた。トラムの乗車券の購入方法についてである。
 住民はホームの入り口に設置された発券機にカードなどをかざすことでトラムの乗車券を受け取る仕組みになっている。以下に示す写真が発券機の様子である。

写真:住民が通常用いる発券機

 発券機にかざすカードや乗車券を単体で買う場合は、ホーム中心部にある発券機を利用する必要がある。住民としては言葉も理解できるため、利用に問題はないと思われるが、外国人の立場として利用するといくつかの壁にぶつかる。
 第一の壁は言語の壁である。基本的にはフランス語表記のみで、単純な操作は別にしてクレジットカードを用いる等の多少複雑な操作については困難が伴った。多くのEU関係の国際機関を抱える国際都市ストラスブールのトラムであるため、この点について英語などの多言語表記の機能を併設するか、表示のユニバーサルデザインがあるとより使い勝手が高まるように思われた。
 第二の壁は支払い方法である。支払い方法としては、現金とクレジットカードが可能であるが、現金はコインのみの受け取りのため、細かいお金を持っていない場合はお金を両替しなければならず、不便に感じられた。また、クレジットカードの使用についても、日本製のカードを受け付けないようであったことと、前述した言語の障壁により、利用を諦めざるを得なかった。
 但し、このような外国人と視点は、即ち私達日本の鉄道における発券機の現状にも当てはまる可能性があり、改めて日本の乗車券が日本に訪れる外国人にとって使いやすい形になっているのかを検証したい。
20111113strusbourgticket.jpg

写真:乗車券の発券機

乗車券は様々な種類があり、例えば通常乗車券は1.5€、24時間乗車券は4€であった。

20111113strusbourgticket2.jpg

写真:トラムの乗車券

●トラムの環境配慮
 ストラスブールのトラムは様々な点で環境配慮に気を配っている。
 第一の配慮はトラムのデザインである。ベルギー人のデザイナーによってデザインされたトラムの姿は近代的ながら、歴史的な構造物が多く残る街並みとも不思議な調和を見せている。この景観との調和という観点も、トラムが住民に受け入れられた大きな要因ではないかと想像される。日本人の中は景観が環境であるという意識が低い者が少なくないが、まさにこのような視点は重要であると考える。
20111113strusbourgtrum.jpg

写真:市内中心部を走るトラム

 第二の環境配慮は軌道における緑化である。トラムの軌道における多くの区間で、軌道の芝生かが行われていた。ともすると無味乾燥な風景になりがちな軌道を緑化することで、自然環境だけではなく景観環境に対する配慮もしている。
20111112strusbourgrail.jpg

写真:芝生化された軌道


posted by 菅原直敏 at 22:22 | 調査活動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年11月12日

夜のトラム@ストラスブール

20111112frankfurt.jpg


12時間のフライトを経て、ドイツのフランクフルト空港に到着しました。

その後、空港から2時間半車に乗って、フランスのストラスブールのホテルに着きました。到着は午後6時前。

皆、長時間のフライトで憔悴しきっていましたが、調査の時間も限られているのでとばかりに、夜の街に繰り出し、実際のトラムの運行状況などを少し把握しました。

20111112strusbourg.jpg


街は、夜のせいか、私が想像していたよりも静かな印象を受け、午後7時くらいでも人通りはまばらでした。また、トラムの方は比較的走行頻度も高く、多くのお客さんが乗っていました。

トラムに乗車しようとするも到着間近でコインが全員分なくあきらめました。日本のようにお札でチケットを買うことはできないようです。

詳細な調査は明日行います。

posted by 菅原直敏 at 22:22 | 調査活動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年11月11日

藤沢市、県立深沢高校におけるシチズンシップ教育

20111111fukasawa.jpg


早朝から団会議。今後の予定や政策について喧々諤々の議論を行いました。常に議論をするのが私達の会派の良いところです。

その後、地元タウン紙の記者が控え室に来ました。メディアと政治の関係に関する有意義な話ができました。

その後、雨の中を関内駅まで走って向かい、大船駅からタクシーで深沢高校へ。シチズンシップ教育を5年前から先進的に取り組んでいる高校です。

シチズンシップ教育とは、「多様な価値観や文化で構成される社会において、個人が自己を守り、自己実現を図るとともに、よりよい社会の実現に寄与するという目的のために、社会の意志決定や運営の過程において、個人としての権利と義務を行使し、多様な関係者と積極的に関わろうとする資質を身につけるための教育」と県では定義しています。要するに、知識一辺倒ではなく、社会に出てから役に立つ教育を行っていこうと言うことです。

私が常に主張している教育観で重なる部分もあることであり、議会でも取り上げたいとの思いから現場の視察を依頼していました。

私が見学したのは1年5組の現代社会の事業における地方自治に対する取り組みです。クラスが5班に分かれて、地域の問題点と解決方法についてパワーポイントを用いてプレゼンテーションを行っていきます。見えづらい信号機や公園にある危険な木の問題等、身近な地域の問題について生徒自らが調査し、対応する役所の機関を調べるなどの成果を披露していました。

先生も教え方が巧みで、生徒の良さを引き出していました。県立総合教育センターの研究対象にもなっており、何名かの教育関係者の方々も見学に来ていました。

授業終了後、平成23年度県立深沢高校教育力向上推進事業公開研究授業並びに研究協議会にも参加をさせて頂き、校長先生、担当教員及び総合教育センターなどの教育関係者に混ざって、協議会で意見交換をさせて頂きました。

現場の先生方は頑張っておられます。非常に有意義な視察でした。

その後、県庁にトンボ帰りをし、当局との打ち合わせや様々な面談が山のように入りました。気づいたら七時過ぎ。これを書いている現在も仕事の終わる目途が立たずです。
posted by 菅原直敏 at 23:21 | 調査活動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年08月11日

豊田市の環境・産業の取り組み

第1節 調査の概要
豊田市役所を訪れ、総合企画部閑居モデル都市推進課西和也副主幹から、『家庭・コミュニティ型』低炭素都市構築実証プロジェクトの取り組み状況をお伺いし、意見交換を行った。
その後、議会事務局を訪れ近藤雅雄主幹より議場案内を受け、議会運営や豊田市の現状についてお伺いした。
最後に、市庁舎周辺や市内の充電インフラを視察した。


第2節 『家庭・コミュニティ型』低炭素都市構築実証プロジェクトの取り組み状況
 豊田市では、経済産業省の『次世代エネルギー・社会システム実証地域』の指定を受け、『家庭・コミュニティ型』低炭素都市構築実証プロジェクトマスタープランを制定し、その推進母体として低炭素社会システム実証推進協議会を民間19社と発足させた。

 同計画の特徴は、
 @官ではなく民間主導であること
 A計画の目標が明確で具体的であること
 B内容が総合的かつ体系的であること
の二点が挙げられると私は考える。

私がマスタープランの冊子を見て感じたことは、目指す目標が非常に明確で、その具体的な取り組みも予算・期間及び手段といった点において具体的であるということである。従って、5年間の実証期間の中で、その取り組みの検証をすることが可能であり、より実効性のある成果を生む可能性が高いということである。さらに、内容が総合的かつ体系的である点も見逃せない。ある特定の手段や分野に偏るのではなく、個人、団体、公の取り組みやエネルギー創出、効率化、節電など様々なアプローチで取り組みを進めている。
 現在、計画通り進んでおり、例えば市内に70戸のHEMS(Energy Deta Management System)の技術を用いた実証用住宅を建設し、既に入居も始まっている。これらの生のデータを検証することで、取り組みの実効性を確保している。





第3節 民間主導の意義
 同計画が前述したような特徴を持っていることには大きな理由があった。それは、その推進母体である低炭素社会システム実証推進協議会が民間主導で運営されているという事実である。
 このような協議会を作ると大抵は行政主導で事務局運営がなされるが、この協議会に関しては、豊田市はあくまで会長であるだけであり、事務的な部分や運営は他の民間企業が担っている。
 この結果、印刷物や計画等様々な点においてより実践的な取り組みとなっている。例えば、協議会発足時に、和文だけではなく英文でプレスリリースを行っている点等はその最たる例であろう。


第4節 win-win関係の構築
 この推進協議会には多くの企業が関わっているが、それぞれの企業について関わるメリットが存在する。露骨な表現をすれば、豊田市と他の企業の利害が合っていると言える。このことが更なる相乗効果を生んでいる。
 豊田市役所に備え付けられている充電器を使用するのは、まだ発表前のトヨタのハイブリッドプラグインカーである。トヨタにとっても発売前の車の実証実験ができるというメリットがあるだけではなく、豊田市にとっても最新の車を導入でき環境実証実験に生かせるというメリットがある。豊田市の目指す目的と企業側が目指す目的は厳密には異なるが、その方向性を上手に集約することで、両者にとってwin-win関係を構築することで、住民の為にも企業の為にもなる取り組みとして行われている。


第5節 再生可能エネルギーによる充電インフラの整備
 『家庭・コミュニティ型』低炭素都市構築実証プロジェクトマスタープランの中に、充電インフラ・水素ステーションの設置・拡充が挙げられている。この計画に則って、現在豊田市内では、再生可能エネルギーを用いた充電施設が設置されている。

20110811toyota1.jpg
20110811toyota2.jpg

 以上の写真は、豊田市役所内に設置された充電インフラであり、充電されている車はトヨタ社の発売前のハイブリッドプラグインカーである。充電設備の屋根にはソーラーパネルが設置されており、一回の充電で30キロ程度走行が可能である。同車は電池が切れると、ガソリン稼動に切り替わる仕組みになっており、市内移動だけであれば、ガソリンを殆ど消費することなく車を保有し続けることが可能である。

20110811toyota3.jpg
 また、市役所だけではなく、市内にも同じ充電設備が設置されている。写真は、豊田市駅前の様子である。


第6節 総括
 豊田市の取り組みは始まったばかりであるが、その計画の内容から具体的な取り組みがイメージしやすく、計画の「見える化」がしっかりと行われていた。この点は非常に重要であり、例えば神奈川県のように「ソーラーパネルを200万戸つける」といくら主張してもその具体的な工程を示せない限り、やはり計画の妥当性は図れない。また、計画が具体的であるからこそ、間違ったときや計画が達成できなかったときの検証がしやすくなる。仮に本県において取り組みをソーラーパネルの取り組みを進めていくのであれば、このような具体的な計画は不可欠である。

 また、民間主導である点もよい。民間の活力をうまく利用することで、その知見が上手に生かされていた。同計画のように技術的な専門性が伴う分野においては、素人集団の行政が主導するよりも、民間が様々な点で深く関わっていた方がよいと思われる。

 さらに、横浜市でも『次世代エネルギー・社会システム実証地域』に選定された「横浜スマートシティプロジェクト(YSCP:Yokohama Smart City Project)」が進行中であるが、豊田市の事例からも、基礎自治体による現場に即した取り組みを期待すると同時に、他のプロジェクトメンバーの調査結果を待ちたい。

 最後に、豊田市議会の議場を見学し、豊田市の現状についても伺った。日本一の企業であるトヨタ自動車を抱える豊田市は財政的に恵まれた時期を過ごしてきた。しかし、2008年9月のリーマンショック発生により、一気に法人税収入が落ち込み、財政的な危機に陥ったことなどを受けて、行政のダウンサイジングの取り組み等について説明を受けた。今回調査した計画が官民一体となった緊密な取り組みとして推進できているのも、このようなトヨタ自動車を中心とした企業と市経済の密接性が背景にあると考えられた。市民の雇用の大半がトヨタに関連し、その企業の帰趨が市民生活を左右するからである。
posted by 菅原直敏 at 00:00 | 調査活動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年08月10日

愛知県産業労働部新産業課~『家庭・コミュニティ型』低炭素都市構築実証プロジェクトと愛知県の関わりについて

第1節 調査の概要
 愛知県産業労働部新産業課を訪れ、嶋田和弘次世代エネルギーグループ主査より『家庭・コミュニティ型』低炭素都市構築実証プロジェクトとの関わりについて説明を受けた後、意見交換を行った。


第2節 低炭素社会システム実証推進協議会の概要
低炭素社会システム実証推進協議会は、愛知県豊田市における『家庭・コミュニティ型の低炭素 都市構築実証プロジェクト』を推進する母体として、2010年8月に豊田市と民間企業19社を中心に設立された。最初の20団体は、豊田市、株式会社エナリス、KDDI株式会社、株式会社サークルKサンクス、シャープ株式会社、 中部電力株式会社、株式会社デンソー、株式会社東芝、東邦ガス株式会社、トヨタ自動車株式会社、 株式会社豊田自動織機、トヨタすまいるライフ株式会社、豊田通商株式会社、トヨタホーム株式会社、 株式会社ドリームインキュベータ、名古屋鉄道株式会社、富士通株式会社、三菱重工業株式会社、 三菱商事株式会社、株式会社ローソンである。

この計画は、「2010年4 月8 日に、愛知県豊田市が経済産業省の『次世代エネルギー・社会システム実証地域』として選定されたことを受けて策定を進めてきたもので」である。同プロジェクトの特長は、「生活者を主体として、生活圏・コミュニティ単位でのエネルギー利用の最適化を目指し、近年増加傾向にある家庭(生活者)からの二酸化炭素(CO2)排出量の削減に向けた取り組みから着手し、そこからコミュニティ単位で拡げていくとともに、交通システムや生活者のライフスタイルの変革と いった領域への取り組みも進めていくことです。低炭素化を追求した各種の機器・システムを導入し、電力やガスなどの系統と連携を図るとともに、生活者のエネルギー利用状況やライフスタイルを踏まえて、生活者に無理なく行動の変革を提案することにより、生活者の満足度、低炭素化の推進、社会環境・インフラ整備 コストの低減を実現する社会システムの最適解を導くことにチャレンジすることである。

この目的に沿って、同プロジェクトでは、「『家庭内および移動先でのエネルギー利用の最適化』、『通勤・ 通学・外出における低炭素交通システムの構築』を図るとともに、それらを統合した『生活圏全体』でのエネルギーの最適利用を目指し」、「これにより、主要な注力分野である家庭では、20%(スマートハウス※単体では70%以上)、交通セクターにおいては、40%の二酸化炭素(CO2)排出量削減を追求」し、「 さらに、これらの取り組みを通じて、生活者・自治体・企業の3者が共生する地方型低炭素社会システムのモデルケースを模索するとともに、将来、日本国内はもとより海外の都市へ横展開することを視野に、国や 地域、先進国と新興国といった、それぞれ異なる社会環境に応じたシステムの構築に取り組んで」いく。
※以上、一部「豊田市低炭素社会システム実証プロジェクトの推進協議会を立ち上げプレスリリース」(2010年8月5日)より抜粋


第3節 愛知県の低炭素社会システム実証推進協議会参加の経緯
 このように、豊田市と民間企業の主導で始まった同推進協議会の取り組みであるが、その後参加団体も増え、2011年7月25日現在で27団体が参加するに至っている。愛知県は2011年6月27日に同協議会に参加することを表明した。

 ここで興味深いのは、愛知県が同協議会に参加することの意義とその役割である。同協議会の設立の経緯が示すように、基本的には豊田市と地元企業であるトヨタ関連企業等が中心となって、同協議会は設立された。そして、豊田市を1つのモデル都市にすることで、そのモデルを日本だけではなく世界に発信をしていくことがその目的の1つである。こう考えると、愛知県が同協議会に参加する必要性が問われる。

 愛知県の同協議会の所管課が産業労働部新産業課であることからもわかるように、愛知県は産業振興の視点から同協議会に参加することを決めている。つまり、豊田市で行われているモデルケースを市外に発信をしていく場合の補助者としての役割を担うことが主たる目的である。担当者も愛知県内の中小企業の振興ということをしきりに触れていた。

 愛知県は同協議会のメインプレーヤーではなく、あくまでも補助的な参加であることがポイントである。


第4節 都道府県別ソーラーパネルの設置数
 意見交換の中で、愛知県のソーラーパネルに対する取り組みについても伺った。意外であったのは、愛知県はソーラーパネルの設置台数の絶対数において全国で一番であるということである。昨年末現在で、設置数は約4.8万台であり、神奈川県の3.6万台と比較しても、絶対数だけでなく割合でも高い数値を示している。
 その理由を問うても、特段大きな理由が見あたらなかったのであるが、この点については、原因究明を行っていく必要があると考えられた。また、今夏まで15万台のソーラーパネルを設置すると述べた知事の主張が如何に現実離れしたものであるかも理解できた。


第5節 総括
 同協議会の取り組みの詳細などについては次章で触れるが、この調査で明らかになったことは、このような基礎自治体主導の取り組みついて県の関われる必要性や範囲は非常に少ないということである。また、県が一方的な考え方を押しつけるよりも、現場の創意によって盛り上がる取組の方が、実効性が高いという点である。
 本県ではソーラーパネルの推進を強く主張し、県下全域に押し付けていく姿勢が多少見られるが、エネルギーの地産地消や多様性の観点からは、このような県の取り組み方針はむしろ基礎自治体の取り組みを阻害する可能性があることも否定できない。
 改めて、県が担うべき役割は何かということを問わなければならない。特に、本件では横浜市や他の自治体でも基礎自治体主導の取り組みが活発化してきている。このような創意工夫を阻害しないということが現在の県に求められることである。
posted by 菅原直敏 at 00:00 | 調査活動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年08月02日

大槌町及び陸前高田市

【テーマ】
被災地の現状について

【調査地】
岩手県大槌町被災現場
岩手県陸前高田市被災現場


【調査者】
菅原直敏

【内 容】

第1節 調査の概要
釜石市の調査後、岩手県大槌町を訪れ、被災地域の視察を行った。続いて陸前高田市の被災地域の調査を行った。


第2節 大槌町と陸前高田市の共通した被害〜庁舎の被災
 大槌町と陸前高田市の被災の共通点は、役所自体が被災したため行政機能が完全に停止してしまった点である。地域防災計画は、基本的に庁舎が存在し、役所の職員もある程度生存していることを前提としているため、両自治体の事例のように庁舎自体が被災し、その職員の大半も被害に遭った場合には、多くの点で計画の遂行に支障を来すことになる。
 第3章する紹介する塩釜市や気仙沼市の庁舎は、大きな被災を免れ被災対策に比較的迅速に対応できたことを考えると、庁舎の設置位置は非常に重要な問題であるといえる。


写真:被災した大槌町役場
20110802otuschi.jpg
写真:大槌役場の中
20110802otuschi2.jpg
写真:被災した陸前高田市役所
20110802rikuzentakata.jpg
写真:役所の中
20110802rikuzentakata2.jpg




第3節 総括
 大槌町は庁舎が被災し、多くの職員及び市民の生命が失われた。災害対応にあたる際のリーダーである町長や幹部職員の大半が亡くなってしまった。副町長が職務代行を務め、現在は総務課長が職務を代行している。町長選挙が8月28日に実施されることになり、仮設の役場にも町長選挙の告知が行われていた。また、陸前高田市も庁舎が被災し、被災後の復旧活動に大きな支障をきたした。
 これらの経過を勘案すると、津波の危険性が指摘される自治体の庁舎のあり方は改めて考えられるべきである。被災後の役所の有無は、復旧・復興活動の円滑性に関わる重要な問題であり、早急に対応すべき重要な課題である。
 例えば、役所のデータのバックアップ機能を充実させることや、庁舎の移転は困難であっても、役所機能の一部を内陸に分散することは、比較的予算もかからず可能である。
 神奈川県内においても、神奈川県庁だけでなく、県内のいくつか自治体の庁舎が津波が起こった際に被災をする可能性が高い場所に立地している。被災地の教訓を生かし、庁舎の立地のあり方について県でも取り上げていきたい。
posted by 菅原直敏 at 15:00 | 調査活動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

かながわ東日本大震災ボランティアステーション遠野センター

【テーマ】
かながわ東日本大震災ボランティアステーション遠野センターの現状

【調査地】
かながわ東日本大震災ボランティアステーション遠野センター

【調査者】
菅原直敏

【内 容】

第1節 調査の概要
 かながわ東日本大震災ボランティアステーション遠野センターを訪れ、神奈川県民活動サポートセンターボランタリー活動サポート課角田重樹氏より施設の概要説明を受け、施設を視察しながら意見交換を行った。


第2節 かながわ東日本大震災ボランティアステーション遠野センターの概要
かながわ東日本大震災ボランティアステーション遠野センターは、@神奈川県民のボランティア支援、A被災地ボランティア活動の情報収集と発信及びB被災地関係機関・団体との総合連絡調整を主な事業目的として7月24日に、岩手県遠野市に設置された。愛称はかながわ金太郎ハウスである。平成25年度を目途に設置されている。
定員は40名。神奈川県から2泊5日(車中泊2日)の日程で、ピストンバスによってボランティアがやってくる。遠野市が選ばれた経緯であるが、神奈川県から比較的遠い、岩手県の各沿岸地域に、車で1時間圏内という距離にあり、遠野市から土地の無償貸与を受けているためである。
施設内は、事務局及び共同スペースと3つの宿泊部屋(20名部屋1つと10名部屋2つ)があり、別棟に食事や会議をするスペースがある。プレハブ自体は、中古の素材を使用しており、2年間のリース料で700万円程度とのことであった。

写真:手前が金太郎ハウス、奥は静岡県の施設
20110802tono.jpg
写真:ソーラーパネルを設置
20110802tono2.jpg




第3節 金太郎ハウスの現状
 現在は夏休みということもあり、学生を中心として施設には常にボランティアがやってきている状態である。被災現場に向かい、ボランティア活動に従事している。現在は、申し込みが超過しているようであるが、9月以降は定員割れもあり得るとのことであった。
 また、金太郎ハウスの横には静岡県の同様な施設が設置されていた。現在は特に横の連携はなく、各自治体が独自の活動を行っているとのことであった。
 さらに、施設の前には神奈川県が推進している太陽光パネルが設置されていた。業者からの無償納入とのことであるが、施設の電力量の1割程度を賄える発電量とのことであった。
 今後の展望としては、目標期限の平成25年度までに被災自治体のニーズをくみ上げながら、神奈川県の支援拠点として活動していくとのことであった。

第4節 総括
 県民のボランティア活動に向かうニーズを汲み取り、県として活動の拠点を設置したことは政策として妥当であると考えられる。また、費用面においても、プレハブの設置費用等低額に抑えられており、費用対効果の面でも妥当であると思われる。
 但し、設置期間の2年の間に、被災地の状況やニーズも段々と変化する可能性も高く、ボランティアの量や質ともに、変化が求められるようになることが予測される。地元の社会福祉協議会とも連携をとっているようであるが、刻々と変化する現場に合わせて、同施設の役割も柔軟に変化させていくことが更なる効果的な施策運営の鍵であると考えられる。
 また、復興が進むに従って現場で必要とされるボランティアの量も減ってくることが予測されるが、隣接する静岡県の施設との連携によって、両県にとって効率的な運用方法を検討することも必要であると考える。
posted by 菅原直敏 at 09:00 | 調査活動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年06月27日

第三セクター調査その2

会派の総務政策PTと特別委員会所属議員の合同で第三セクターの調査を行いました。

芸術文化財団と住宅供給公社です。

私自身は一度訪れたことがあったのですが、赤野たかし議員、加藤正法議員、城田学議員、土居昌司議員は初調査です。
新人の議員の皆さんが持っている問題意識を聞いていると、会派の未来も明るいと感じます。私も負けないように頑張らなければなりません。
posted by 菅原直敏 at 00:00 | 調査活動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年06月17日

生活サポート基金〜転落社会からの脱却

敷田博昭県議と原聡祐県議と共に、一般社団法人生活サポート基金の取り組みを調査しました。以前、敷田県議が社会問題総合対策特別委員会の委員長の時に調査をした岩手消費者信用生協の理念を基に、東京都で貸付事業を開始し、神奈川県の支店事務所を開設したという経緯があります。

日本社会においては、生活保護に転落するまでの急場を凌ぐ貸付の仕組みが脆弱であり、消費者金融の規制強化により、ヤミ金融が活発化しています。特に震災以降は、生活資金に窮する国民も増え、二重ローンの問題など課題が山積しています。

生活サポート基金では、銀行が貸付を行わない人達を主に対象として、肌理の細かい相談を行い、自立を支援する方向で貸付を行っています。

敷田委員長の当時に訪れた取り組みが、神奈川にも波及し、私が入れ替わりで委員長になっているのも何かの縁かもしれません。東京本部の取り組みも含めて調査を進めて行きたいと思います。
posted by 菅原直敏 at 17:57 | 調査活動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年02月10日

電子黒板→放課後児童クラブ

電子黒板の利用状況と放課後児童クラブの現状を視察するために、深見小学校と中央林間小学校を訪問しました。私の推薦候補でもあり、市政に挑戦されている佐藤正紀さん、東こう史ひろさん、町田れいじさん及び山本光宏さんも同行頂きました。

20110210denshikokuban.jpg
電子黒板については、昨年市単独で1億円近い予算を投じて市内小学校全部に電子黒板を配置しました。深見小学校はモデル校として先行して取り組んでいた小学校であり、その授業風景を見学しました。

電子黒板と通常の黒板は相反関係にあるわけではなく、お互いが補完しあう関係にあるように思われました。映像や音声によって子どもたちの関心を引いている部分も見られました。私が当初考えていたよりは有用性が高いように思われました。

但し、電子黒板はあくまでも道具です。それを用いる教師の力量が問われることは言うまでもありません。また、費用対効果という点でも今後は検証を行う必要があります。

20110210churingakudo.jpg

続いて、中央林間小学校の放課後児童クラブを視察しました。先日、西鶴間小学校学区のわんぱく児童クラブ(民営)を視察したので、公営と民営の学童の比較という視点からも大変興味深い調査となりました。

今回は、4名の推薦候補の方にご同行頂きましたが、現場を見ることの大切さを実感して頂けたようです。このように、議員になる前から勉強の機会を提供することで、議員になってからしっかりとした政策提言を行っていける素地を作っていかせることも、私自身の役割であると考えています。

posted by 菅原直敏 at 23:47 | 調査活動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年01月12日

学童保育所わんぱくクラブ〜体が痛い

大和市が業務委託をしている学童保育所わんぱくクラブを視察しました。
わんぱくクラブは、西鶴間小学校区の子供たちを主に預かる民設民営の学童保育です。今年で30周年を迎えます。

20110112wanpaku.jpg

当日は15時くらいから、子供たちに交じって小学校の校庭でドッジボールをしたり、鬼ごっこをしたりと、一緒に走り回りました。17時前に保育所に戻り、親が迎えに来るのを待つ子どもたちとお遊び第二弾でした。人生でも経験したことがないくらい、おんぶや肩車をしたり、馬乗りになられたり、蹴られたり、、、19時に近づくにつれて子供が少なくなり、段々と静かになりましたが、指導員の先生たちの仕事ぶりを肌で感じることができました。

その後は、指導員の方や父兄の方と21時くらいまで学童保育についての意見交換。私自身の持っていた疑問点を質したり、逆に現在の課題点などについてご意見を頂きました。子どもたちの父母がみんなで運営する形をとっているため、父兄の皆さんも当事者意識が強く、相当熱心でした。

指導員の待遇、施設の老朽化、過大規模化等、いくつか解決しなければならない課題点がありました。

20110113wanpaku2.jpg
写真:意見交換の様子。写真真中が町田れいじさん。

今回の視察は、わんぱくクラブの出身者で、次回の大和市政に挑戦される町田れいじさんに調整をして頂きました。彼は、学童保育を含む子供に関わる政策に熱心に取り組んでおり、多くのことを勉強させて頂きました。私と同じ西鶴間小学校の出身でもあります。


今頃になって体が痛くなってきました。このような仕事を毎日続けていらっしゃる指導員の皆さんには本当に頭が下がる思いです。
posted by 菅原直敏 at 00:00 | 調査活動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年12月01日

松風園視察

家の近所にある松風園を視察しました。
20101201shohuen.jpg

松風園は、指定知的障害児通園施設である第1松風園と指定生活介護事業を扱う第2松風園からなります。平成17年より大和しらかし会が指定管理者として運営しています。当時の指定管理の審議には、市議会議員として関わった経緯もあります。

施設長、理事長と意見交換を行った後、職員の方の案内で施設を視察しました。利用者の皆さんは生き生きと活動されていましたが、職員の皆さんの多大なご尽力があるのだと思いました。ちょうどボランティアの男性のハーモニカ演奏を聴く機会にも恵まれました。

一方で、いくつかの課題点もありました。今まで私が調査してきた県の福祉施設同様に、職員の待遇の問題があります。また、指定管理の構造的な問題がそれに拍車をかけています。指定期間が5年であるため、中長期的な経営方針が立たず、職員の昇給もままならないのです。

県議会では、福祉・医療施設における指定期間の延長を提案した経緯がありますが、市においてもこのような取り組みが議会から提案されることが期待されます。あとは、多少の予算の問題です。本当に多少の予算があれば、現場の苦労も緩和されます。市の財政は厳しいのかもしれませんが、ねん出できない額ではありません。これは、市長や議員といった行政経営に関わる者達の決断の問題でしょう。


今日は、来年の4月に市政に挑戦するあかみね太一君も一緒に調査に加わってくれました。福祉は特に現場を見ずして議論できない分野です。有望な若者に勉強する機会を提示するのも、私のような人間の責務であると感じています。


視察後、神奈川県議会に直行。代表質問が行われました。
posted by 菅原直敏 at 00:00 | 調査活動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年10月23日

口蹄疫被災地視察

全国青年都道府県議会議員の会の研修で、口蹄疫の被災地の視察を行いました。
西都市内の畜産農家の方のお話を伺う機会も得ました。
危機管理について大変勉強になりました。

20101023kouteeki.jpg
posted by 菅原直敏 at 00:00 | 調査活動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年08月16日

松田・小田原土木事務所視察

松田土木事務所及び小田原土木事務所を1日かけて視察しました。

県西地域は、人口に比して面積は大変広く、全てを見ることができたわけではありませんが、同地域の土木の概要を掴むためには意義深い視察でした。特に、砂防事業の実際は、山深くまで行かなければ見ることはできず、今回の調査では山北町の山の中にある堰堤整備事業を視察しました。

対応して頂いた職員の皆さまには感謝です。

20100816sabo.jpg
写真:細川沢3号堰堤工


・酒匂川2号橋
・細川沢3号堰堤工
・国道135号米神地区越波対策事業
・都市計画道路穴部国府津線整備事業
・山王川河川改修事業
posted by 菅原直敏 at 00:00 | 調査活動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする