2012年05月31日

Facebookの学校現場での利用を模索

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シンガポール国立教育研究所(NIE)を訪れました。

教育現場におけるICTの活用についての研究と事例を調査する為です。

4つの事例をご紹介頂きました。SNSの学習現場への応用、歴史学習へのブログの有用性、掲示板的サーヴィスを用いたディスカッション、独自に開発したグループ落書きツールなどです。

日本ではこういったことを真剣に研究・検討する事自体がなさそうですが、シンガポールでは国立研究機関で真剣に議論されています。如何に効率的かつ効果的に教育の質を高めていくのかということが国家の存亡に関わるからです。

また、シンガポールではメリットとデメリットを抽出して、利用する事を前提にデメリットを如何に低減するかを検討しています。この視点は非常に重要ですが、日本の場合は少しでもデメリットがあると、物事は前に進まなくなります。つまり先送りです。

Facebookの教育現場への導入の検討自体は発想としてはそんなに目新しい事であるとは思いませんが、シンガポールの教育におけるICTの活用の一つの方向性の象徴的な部分であると感じました。オンラインで、生徒の学習の進捗管理や状況把握等、様々な可能性を模索している事が感じられます。現在は、大学の教室で実際の実験を行っているとの事でした。

他にも、生徒にあたかも実際の歴史家になったかのようにブログに歴史を記述させていく取り組みは、非常にユニークです。この取り組みにおいて生徒は批判的な視点を得る事ができると想定しているそうです。

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写真:箱根細工の箱を開けるのに試行錯誤する教授陣

最後は簡単に神奈川県の紹介を私の方からさせて頂き、箱根細工の箱等神奈川県の物品を贈呈しました。箱根細工のトリックには教授陣皆が熱心に挑戦していました。
posted by 菅原直敏 at 17:00 | 調査活動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

改めてバイリンガル教育

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シンガポール教育省を訪れました。

宗像富次郎、久坂誠治、小林大介及び日浦和明神奈川県議とともに、シンガポールの教育システム及びICT教育に着いて調査を行いました。自治体国際化協会の職員の方も同行して頂きました。

この調査を受け、改めて日本にもバイリンガル教育が必要なのではと思いました。

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教育制度の説明のやり取りの中で、一点気になった部分がありました。それはバイリンガル教育についてです。現在ではシンガポールと言えば英語が公用語の国として認識されていますが、自国の文化や伝統を大切がする故にこの制度が行われているという側面もあることです。

何を言いたいのかというと、必ずしもシンガポール国民の全てが英語を母国語と思っていないという事です。ある種、英語の公用語化は国を運営して行く為の効率的な手段として捉えている部分もあると、教育省の方とのお話の中でわかりました。

日本では外国語教育の目指す目標が明確ではありません。漠然と英語を話せたらよい程度の考えなので、結果的に公教育のみで英語を含めた第二外国語を取得して行く人はまれです。一方で、バイリンガル教育のようなことをしっかり進めて行こうとすると、日本語の運用能力が先であるとか、文化や伝統をしっかりまず学ぶべきというような「排他性」の議論になりがちです。

しかし、バイリンガル教育は母国の言語運用能力や文化・伝統の保護と排他的な関係にあるわけではなく、むしろそれらを維持しながらも自国の利益を最大化する為に行われている事がシンガポールの事例からもわかります。

バイリンガル教育というと、他民族国家の統合の手段であり、専売特許と考えられがちですが、国が生き残り発展していくための手段としては、ほぼ単一言語国家である日本においても多いに推進して行くべきなのではないかと私は改めて感じました。

高等教育終了時に、母国語しか運用できない国民と二カ国語以上運用できる国民との差はあまりにも大きすぎると感じます。例えば対応して頂いた職員の女性の方は英語と母国語として北京語を運用します。これは国際社会で戦う際の大きな武器です。

そろそろ、日本でも明確にバイリンガル教育を掲げてもよいのではないでしょうか。ここでいうバイリンガル教育というのは結果がしっかりと伴うものです。国単位で無理ならば、教育の分権を進めるか特区を設置する事で、日本国内の一部でも実現可能な仕組みを構築するべきと考えます。

バイリンガル教育は日本国民が生き残る為の重要な手段の一つであると考えます。私達の世代が感じている苦労を次世代にさせるべきではありませんし、これは教育制度のあり方でおおよそ解決できる問題であると思います。
posted by 菅原直敏 at 13:00 | 調査活動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月30日

神奈川県のアジア戦略とは何か?

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神奈川県シンガポール事務所と、JETROシンガポールを訪れました。宗像富次郎県議、小林大介県議、日浦和明県議及び私です。

・シンガポールの政治、経済状況
・FTA等を含めた国際経済連携の状況
・神奈川県シンガポール事務所の意義とあり方

等のテーマについて、長時間にわたり調査、意見交換を行いました。

早朝の到着から休む間もなく調査にあたりましたが、参加した議員一同みな熱心に集中していました。

私自身は3年程前に世界の駐在事務所を全て調査しましたが、あの時から課題として認識され、私が商工労働常任委員会で取り上げて来た事も、あまり改善されていない事が判明しました。

駐在されている職員の方はやる気に溢れていますが、県としての戦略が多少欠如しています。やるなら徹底的にやる、やらないならやらないと決めるメリハリも大切です。

具体的な課題は、アジア(中国・韓国・台湾は除く)という膨大な市場をたった一人の職員に任せている事やその為に属人的な事務所運営になっており、引き継ぎ等で全てがリセットされてしまう事等です。

改めて議会で取り上げる事になりそうです。

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写真:熱心に説明してくださる駐在員の北邑さん。職員の思いが生きる職場にしたいですね。

また、対応して頂いた方々には感謝です。
posted by 菅原直敏 at 17:09 | 調査活動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月17日

自然エネルギー100%は可能か?村上敦先生の講演

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第3回みんなの勉強会を開催しました。みんなの勉強会とは、会派所属議員の政策能力の向上のために、講師をお招きして行う勉強会です。

今回は、ドイツのフライブルク在住の環境ジャーナリストである村上敦先生をお呼びしての勉強会です。

昨年の11月の講演を聴いて、是非会派の仲間にも先生の講演の内容を共有して欲しいという思いから、勉強会の講師に提案し、今回の勉強会の運びになりました。

先生はドイツ在住のため、ドイツや欧州の事情に詳しいだけではなく、日本人のため日本の現状も理解しているので、単なる海外の受け売りの情報が氾濫するエネルギー政策等について的確なお話をしてくださいます。

エネルギー政策という入り口ですが、実はその内容は地域活性化といった地域的な話題から産業政策、雇用政策、土木政策に渡り、温暖化対策、化石燃料の課題といった地球規模の話にまで及びます。

省エネ→高効率化→自然エネルギーの推進の順番で欧州のエネルギー政策は進んでおり、創エネ・畜エネ・省エネの順序である神奈川県のスマートエネルギー構想はアプローチの仕方が誤っているとの事でした。

先生のお話を通じて感じるのはドイツの環境政策は科学的な議論に基づいているだけでなく、よい意味で利益追求型であるという事です。

日本の精神論や雰囲気だけで進むエネルギー政策ももう少し、しっかりとした現状把握と目的を明確にした上で、科学的な議論の下に進めて行くべきであると考えます。

また、個別の技術にこだわりながらも、全体の戦略がないばかりに最適解を得られていない

今日もよいお話をお伺いする事が出来ました。
posted by 菅原直敏 at 20:34 | 調査活動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月06日

82歳のおじいちゃん〜スマートフォンは生活必需品

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昨日は終電で名古屋に訪れ、宿泊したのですが、急遽舞い込んだタスクのため半徹夜で朝を迎えました。7時前の名鉄線に乗り込み、1時間半の車中にPCを開きながら、なんとかタスクを終了し、三重県玉城町のある田丸駅に到着しました。

同町を訪れたのは「ICTを利用した安心・元気な町づくり事業」を調査するためです。

2月の初旬だったでしょうか、テレビ番組でスマートフォンを楽しそうに扱いながら世間話をするおばあちゃん・おじいちゃんの映像をたまたま見て、予算委員会でICTの活用を取り上げようと考えていた私のアンテナにかかり、今回伺う事にしました。行政や議会関係者がよく言う「高齢者はICTが扱えない」というステレオタイプを打ち破る事例調査の位置づけにあります。

●制度設計の概要〜玉城町役場
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最初に訪れたのは玉城町役場です。若手の生活福祉課の中西司主事の方にシステムの概要や現状と課題を伺いました。

スマートフォンの活用という切り口で見た場合、大きく分けて2つの事業があります。オンデマンドバスシステムと安全見守りサーヴィスです。

オンデマンドバスシステムは、路線バスの縮小に伴い導入された福祉バス事業を、予算を欠けずにサーヴィスを向上させたいという理由で導入されました。既存のオンデマンド交通の問題点を克服しながら、効率的に運営される公共交通として注目されていますが、その予約方法の一つとしてスマートフォンのアプリを用いる事が出来ます。ちなみにこのバスは「元気バス」と呼ばれています。

次に、安全見守りサーヴィスはスマートフォンに安否確認ボタンを搭載させるアプリを導入する事で町内どこにいても(理屈的には電波の繋がる場所であれば世界のどこにいても)、ボタンを一つ押せば安否情報が社会福祉協議会や家族等に伝わるシステムです。

役場で説明を受けた後、議場を見学して、同町社会福祉協議会に向かいました。


● 利用者の現状〜玉城町社会福祉協議会
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玉城町社会福祉会館を訪れ、社会福祉協議会の西野公啓事務局長と実際に利用されている82歳の男性の方に実際の利用状況について伺いました。

安全見守りサーヴィスについては、事務局長から実際に実演をしてもらいました。スマートフォンの安否確認ボタンを押すと、社会福祉協議会にあるパソコンにその情報が転送され、緊急情報としてお知らせがきます。また、登録されている最大5名の方の携帯にも同様の内容が転送されます。

また、利用者の奈尾一さん(82歳)から実際の利用状況について、お話を伺いました。世の中の一部では年配の方はスマートフォンのような機器を使えないというステレオタイプを語られますが、彼の話はその考え方を180度覆すものでした。

彼が主に使っているアプリは、前述した二つですが、スマートフォンの使用にも問題もなく、このシステムのお陰で出歩く機会も増えたとの事でした。「生活必需品」という彼の意見が印象的でした。

事務局長からは続けて、スマートフォンの導入ばかりが注目されるが、大切な事はその裏にもあるとの説明を受けました。つまり、安全見守りサーヴィスが実際に利用された事は、幸いな事に、ないのですが、そのサーヴィスがあることで家族等も安心して高齢者の方が外に出て行く事を見守る出来ることがあります。

また、スマートフォンには個人の情報を収集する機能もあるので、希望される高齢者の方には、その情報の発信状況によって、社協側が安否状況を確認する事にも役に立っています。仮に発信状況がなくなれば社協の職員から安否確認のメールを本人に送る事も出来ます。神奈川県ではこのような安否確認のために県営住宅の中にセンサーを設置する事業等も行っていますが、費用対効果を考えると、玉城町の取り組みは参考になります。

また、スマートフォン等の利用によって逆にフェイスtoフェイスの関係が深まったとの、少し逆説的な成果もあったようです。これらのサーヴィスによって高齢者が外に出歩くようになり、社会福祉会館に集まる高齢者の方も増えているとの事でした。



新しい技術が出てくると、それを使える人が若い人を中心とした一部の人たちと捉えられがちですが、実際はそれらをうまく活用する事で社会全体をよくしていく事ができるという好例であったと思います。
posted by 菅原直敏 at 12:12 | 調査活動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月13日

財政の健全化とは??〜多治見市の事例に学ぶ

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大和市議会議員の赤嶺太一、古谷田力、佐藤正紀、町田れいじ及び山本光宏さん達と、岐阜県多治見市の調査に向かいました。

財政健全化条例の調査をするためです。

説明者は2年前に私が訪れた時と同じ福田さんでした。

途中、市長の古川雅典さんも乱入して、多治見の街をご紹介くださいました。とにかく元気な市長でした。

市議会議員の皆さんも財政についての深い考えを持てたようでよかったです。
posted by 菅原直敏 at 22:22 | 調査活動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月08日

ミニ四駆ってセブ島で作られているって知っていました??

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セブ州の経済特区MEPZにあるタミヤの工場を訪れました。タミヤと言えば言わずと知れた日本最大の模型メーカーです。ミニ四駆やラジコンも製造しています。日本男子であれば一度は遊んだことがあるでしょう。

そのタミヤの海外唯一の自前の工場がこのセブにあります。しかも、進出したのが早かったため、その地域一帯はタミヤ地区と呼ばれています。タミヤ製品の製造は国内よりもこちらの方が多いそうです。

現地の工場の責任者の日野さんから工場の説明を受け、工場内を案内して頂きました。

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まず、印象に残ったのは、従業員の皆さんの働きぶりが非常に勤勉であったことです。熱心に仕事をしていました。

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次に印象に残ったのは、単純労働だけではなくクリエイティブな作業も現地の従業員が行っていたことです。海外に進出する理由は単純労働を求めて行くものだと思い込んでいましたが、既に企画部門を担える人材がしっかりと育っていました。

最後に印象に残ったのは、子どもの頃から親しんでいたタミヤという会社の主要な機能が日本とセブで担われていたという事実です。現在セブの工場が火事等でなくなってしまったら、タミヤは多分相当な打撃を受けると思われるくらいセブの工場を拠点化しています。

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昼食は地元の日系企業の経済人の方々と意見交換をしながらとりました。外から見た日本に対するご意見を伺い、非常に考えさせられることばかりでした。

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午後はセブで日本人を対象としたリハビリテーション事業を展開するビジネスを行っている事務所を訪れました。私が訪れた時はリハビリは行われていませんでしたが、現地の方々が日本語を勉強されていました。日本語対応が必要となる為です。
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夕刻には新日系人協会の理事長である岡さんから、日比の歴史や片親支援についての取り組みについて伺いました。日本人の父親を持ち、片親で暮らしているジャピーノの言われる子どもたちは日本国内の統計だけで15万人、フィリピン国内の案数も含めると総計30万人とも言われているそうです。

このような支援の取り組みについては日本政府の理解が不可欠であるとのことでした。

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セブというとビーチリゾートのイメージしかありませんでしたが、実際に訪れてみると、それは単なる一面であることがよく理解できました。
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2012年02月03日

社会問題総合対策特別委員会3日目〜葉っぱビジネス@徳島県上勝町

第1節 調査の概要
 上勝町を訪れ、笠松和市町長の話を伺った後、鰍「ろどりの溜本弘樹氏より同社の活動と上勝町における高齢者支援の状況について話を伺った。

写真:町長の話にも熱が入っていた。

第2節 取組の概要
 葉っぱビジネスで有名な上勝町の取り組みは昭和56年にまで遡る。この年、マイナス13度という局地的な異常寒波に襲われ、主要産業であるみかんが枯死する事態に見舞われた。また、予てより林業の衰退も起こっていた。このような中、上勝町の産業を活性化させ、みんなが活き活き過ごしていくために何らかの取り組みを行っていく必要性に迫られた。

 そのような中、農協に勤める横石知二氏が、高齢者の多い町で女性ができる仕事を考えながら、たまたま立ち寄った大阪のお店で、料理の彩りを添える葉っぱに目をつけ商売にならないかを考えるようになった。当時は料亭等でもこのような添え物の葉っぱは料理人が自ら山に行ってとっていた状況があったようである。

 しかし、上勝町で導入をしようと呼びかけたところ、賛同者は4人のみで、最初の出荷の際も思うように市場で受け入れられることはなかった。横石氏は売れない理由を考ええ、現場を知らないことに気づき、料亭めぐりを行うようになった。訪れた料亭の数は数百件、全て自腹である。

 このような経緯もあり、だんだんと市場でも受け入れられるようになり、町の中でも賛同者が増えるようになった。横石氏は農協の社員として全国を営業して回ることを行っていたが、平成11年に第三セクターによる株式会社を設立し、代表に就任した。

 いち早くパソコンを導入し、年配者も使えるようにするなどの取り組みを行い、生産性も上がっていった。最近ではNTTドコモとも連携し、タブレット型PCを導入し、生産者が扱うようになった。

 このような取り組みの結果、高齢者も活き活きと生活する者が増え、高齢化率が5割近いにも関わらず、医療費が県以内で最低の割合になるなど、農業以外における成果も出てきている。


第3節 まとめ
この事例でわかることは、地域活性化の取り組みは民間におけるリーダーが主導して起こることである。行政主導で行ってこのような結果が出たという事例はほとんど聞かれない。県行政に関わっていると地域活性化というお題目が並ぶが、その効果のほどは定かではない。例えば商店街対策がよい例である。

 上勝町の事例は、神奈川県における地域活性化の取り組みの在り方を再検討するよい材料なのではないかと思われる。
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2012年02月01日

社会問題特別委員会調査報告1日目〜夢のみずうみ村

第1節 調査の概要
 夢のみずうみ村山口ディサービスセンターを訪れ、委員が3班に分かれて、利用者の方々から施設の説明を受けた。
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写真:利用者の方の説明は、非常にわかりやすかった

第2節 夢のみずうみ村山口ディサービスセンターの概要
 夢のみずうみ村山口ディサービスセンター(以下、夢のみずうみ村)は、以下の理念を掲げている。

リハビリとは、「生活できる能力」を確認なさることです。
「生活できる能力」とは、身も心も生き活きする素だといえます。
リハビリとは、こうした生きるエネルギーを再生産することです。
訓練することが生き甲斐ではいけません。
訓練してつかみ取った能力を使い、
生きていることを味わい楽しむことがリハビリの目的です。
私たちはその目的を指向される方のお手伝いをさせていただきます。

ご自分の隠れている力の再発見をしてみませんか。
埋もれている「生活できる能力」を一緒に発見しましょう。
「持っておられる能力」を上手に利用する方法も一緒に考えましょう。
生き生きした人生を味わい楽しみませんか。
そういうお気持ちをお持ちの方に、
私たちは一生懸命リハビリをさせていただきます。

 つまり、利用者の依存によるものではなく、自立を目指すための施設運営を行っている。施設の説明を利用者自身が行っていることからも、その点はよく伺えた。
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写真:施設内は広く開放感があった。

第3節 施設内通貨「夢」
 この施設の興味深いところは、施設内通貨として「yume」という通貨を流通させている点である。利用者が何か人に対してサービスを提供するなどすると、このyumeを手に入れることができる。例えば、利用者が私たちのような視察団を案内することもyumeを手に入れる方法である。
 そして、このような夢を今後は施設内のサービスを受けるために使うことができる。例えば、あんまマッサージを受けたり、パン教室に参加したりするためにはこのyumeが必要になる。このような通貨を導入することで、利用者の能動的な自立を促しているように思われた。
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写真:実際のyume

第4節 まとめ
 この施設の視察を通じて感じたことは、利用者の居心地のいい空間を創出しながらも、自立に向けた仕組みを作っていることである。施設の紹介にも、自己選択・自己決定、多種多様なプログラム、過度の介護の抑制、生活を楽しむ等の言葉があふれていることからもそれは伺える。
 実際、広い施設内を歩き回ると、様々な遊び心にあふれている点に、むしろ私たちが楽しめてしまう部分もあった。このような施設運営は運営者の経営判断による部分も大きいのだろうが、この報告書を通じて紹介することで、神奈川県内の施設関係者にこの興味深い取り組みを知って頂けたらと思う。
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2012年01月26日

佐賀県と武雄市〜SNS活用の精神論と具体例

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午前中、佐賀県武雄市での調査です。
SNS等の導入に関する取り組みと行財政改革に関する取り組みについてです。

まずは、樋渡啓祐市長が自らSNSの取り組みについてプレゼン開始。私はいわきで一度その風景を拝見していましたが、同僚議員はそのユーモア溢れるプレゼンに身を乗り出して聞いていました。幾許辺のつかみはさすが樋渡市長。

50分程して市長は中座、その後は牟田議長が代わって説明。こちらもまたお話が興味深い。議長は神奈川とゆかりの深い人であることも判明。話が弾みました。

端的に言ってしまえば、市長の打ち出す奇抜な取り組みによって、武雄市は知名度を上げてきましたが、今回のFBの先進的な活用によって、その流れが一気に加速したことが大きな成果です。常に住民の所得向上が重要と訴える市長にとって、自治体の注目度が上がることは、重要な前提条件だからです。

具体の取り組みの意義については、次回のメルマガコラムで詳述します。

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次に訪れたのは、佐賀県庁です。
Ipadを用いた緊急救急医療システムの導入について調査しました。
医療現場にipadを導入し、救急医療をマネジメントしようとする取り組みは非常に画期的です。病院の受け入れ拒否が問題とされる中、オンタイムの情報更新を現場レベルで共有する為には、ipadのような情報端末を用いて常に情報にアクセスできる状態にあることは不可欠だからです。

実際のシステムの運用の様子等は以下の動画をご覧下さい。



私が注目したのは、導入を可能にした経緯です。現場にはIpadを用いた経験を持たない者も多く、導入には大きな反発も予測されたとのことでした。そこで担当者は導入に理解を示してくれそうなキーマンを見つけ出し、そこから導入への突破口を開いたとのことでした。

既にシステムが存在する現在、むしろ導入の障壁になるのはこのような組織の理論です。この点は多いに参考になりました。

あとは、運用の主体も要検討です。佐賀県は人口100万人に満たない自治体です。基礎自治体の都市部の人口が多い神奈川県では運用主体が県であることが必ずしも適当とは言い切れません。

実際の運用の映像

ところで、佐賀県議会では議員全員がIpadを全員持っており、議会事務局からの情報提供が迅速かつ効率的に行われているとのことでした。最初はFAXや郵送等の手段と併用していた者の、現在ではIpadに一本化されたようです。

よく言われる使えない議員に対する対策としては、勉強会を行うことで対応したようです。こういう取り組みは、使えない議員に合わせがちですが、できない理由をなくして、導入に踏みきった県議会の判断は大変懸命であると考えます。

posted by 菅原直敏 at 22:22 | 調査活動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年01月18日

樋渡啓祐武雄市長はやばい!

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「Facebook街づくり講演会・交流会 in 福島」に参加しました。

今をときめく(?)樋渡啓祐武雄市長のFacebook活用に関する講演でした。

ご存じの通り、佐賀県武雄市では2011年8月より市のホームページをFacebookに全面変更し話題になっただけではなく、
様々な興味深い取り組みで注目されてきました。

私としても自治体や地域振興におけるSNSの活用について研究をしていたので、今回福島県いわき市まで足を運んで勉強をさせて頂くことにしました。

ここに訪れるまでは、もちろん樋渡市長はすごい人だとは思っていましたが、Facebookの導入に関しては、たまたま最初に導入した人程度にしか認識していませんでした。しかし、講演をお伺いしてその認識を根底から改めさせられました。

彼はやばいです。

アエラの日本を変える100人に選ばれたそうですが、頷けました。発想力豊かで(彼はぱくりと言う)、行動力があり、非常に前向き、まさに周りを巻き込んで人を変えていく力があります。

Facebook導入前の武雄市のホームページへのアクセス数は毎月5万件だったそうですが、変更後は毎月330万アクセスになりました。これに勢いを感じ、新たに始めたのがF&B良品という手数料なしの通販サイト。3年間で年商10億を目指すという強い意気込み。インターネット空間に道の駅を作ったようなものとは市長の弁。

実行して駄目ならやめる、行けそうなら修正して取り組む。

他にも色々とありますが、来週も佐賀県武雄市で市長とお会いする予定なので、今日はここらへんで。

久しぶりにすかっとする人と出会いました。

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posted by 菅原直敏 at 23:57 | 調査活動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年01月17日

公職選挙法の不都合

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昨日に引き続き、議会改革検討会議の調査で愛知県議会に訪れました。

こちらも名古屋市という政令市を抱え、県議会議員の選出方法のあり方については色々議会において議論があった模様。選挙区の配分の関係で飛び地選挙区も生じていました。

私が今日の調査で感じたのは、公職選挙法が地方自治体の選挙のあり方を歪めているということです。愛知県の飛び地選挙区については住民要望もあったようですが、そもそも県議会議員選挙の選挙区を郡市に限ってしまっているために、必要以上に歪な選挙区が各都道府県で出現しています。

選挙の境界くらい条例で自由に変更出来るようにするべきではないでしょうか。

実際、事務的に関わる職員の人達もそこら辺をご苦労されているようでした。
posted by 菅原直敏 at 21:29 | 調査活動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年01月16日

2倍以上の格差を容認する異常性

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今朝は鶴間駅西口で本年第5回目の街頭議会報告を行いました。
山本光宏大和市議との合同報告でした。

久しぶりに凍るような寒さでしたが、そこは地元中の地元、非常に多くのご声援を頂き乗り切りました。

その後、すぐに新横浜へ。議会改革検討会議の県外調査で京都府議会を訪れるためです。

京都府議会では、府議会議員選挙における一票の格差を2.9倍程度から2倍以内に低減させる取り組みなどについてヒアリングしました。

私は首尾一貫して言っていますが、現在の神奈川県議会における2.9倍の一票の格差は以上です。これは早急に解決するべきと考えています。地域事情云々以前の一番基本的な課題です。ちなみに東京都議会議員選挙における3倍程度の格差は既に違憲判決が出ています。

このように調査に来た成果は、神奈川県議会の一票の格差を2倍以内にするという結果を出すことで示すべきです。
posted by 菅原直敏 at 17:06 | 調査活動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年12月29日

つくばのスティーヴ・ジョブスに会いました。

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今日はつくば市において、Co-Create Tsukubaの代表の伊藤史紀さんとそのパートナー議員である五十嵐立青つくば市議と山本美和つくば市議と意見交換を行いました。久坂誠治県議と鈴木綾子江東区議さらには千葉市の視察から親しくさせて頂いている千葉市役所の部長の片桐さんも参加されました。

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Co-Create Tsukubaは、今年の5月に立ち上がり、Facebookのページを用いて市民が市議会に政策提案を行っています。現在1,000名以上の登録者がおり、パートナー議員が9月や12月の議会でその提案を質問の形で取り上げています。

私自身もこの取り組みを知ったときから、非常に注目していました。私が昨年の暮れに発表をしたコミュニティシンクタンク構想に通ずるものがあったからです。

Facebookの評価は一部でかなり過小評価をされていますが、このような取り組みを見るにつけその可能性を大きく感じます。

パートナー議員である五十嵐議員は大変優秀な方で、海外の国際交流プログラムに日本を代表して参加するなど、国際感覚に優れ、またご自分でコーチングオフィスを運営するなどビジネス感覚も持ち合わせた、地方議会には大変珍しい逸材です。

また、山本議員は公明党所属ではありますが、政党の考え方はありながらも、自分自身の考えをしっかりともたれた方で、Co-Createの提案を議会で取り上げたりもしています。


最後に、特筆すべきは伊藤さんの役割です。研修トレーナー等の本業を持ちながら、ボランティアでCo-Createをの運営のとりまとめを行っています。このCo-Createの取り組みが軌道に乗ってきたのも、このような伊藤さんを始めとする人材の豊富さと献身性にあると感じました。

そして、何よりも3名とも非常にアグレッシブな意識の持ち主でした。

このような取り組みが進んでいけば、今まで閉鎖的で住民に対してしっかりとした応答責任を果たしてこなかった議会のあり方も大きく変わると考えます。

試行錯誤の取り組みですが、非常に意義深い取り組みであると考えます。


そこで、私が伊藤さんにつけた名前が「つくばのスティーヴ・ジョブス」です。

どこかで聴いたような、、、

そう、今月初旬に訪れた藤沢の本白水さん同様、民間の活力によって世の中に大きな影響を与えているという点で、勝手に私が命名しました。

12月は非常に優秀克つ印象的な方々にお会いできました。

本白水さんに会ったのが非常に昔に感じるくらい、日々がめまぐるしく進んでいます。

posted by 菅原直敏 at 23:48 | 調査活動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年12月25日

タイ前外務大臣Kasit Piromya氏

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タイ前外務大臣Kasit Piromya氏と意見交換を行う機会を得ました。
クリスマスの忙しい時期にも関わらず(そしてご親戚の結婚式の後にも関わらず)、ご家族でバンコク市内の日本料理屋にお越し頂きました。

様々な内容について意見交換をしましたが、国際社会の第一線で活動されてきた方のお話は大変勉強になります。

また、氏は大使として日本やアメリカにも赴任したことがあるため、ご子息は英吾を流暢に話し、我々との意思疎通に問題がまったくありませんでした。ご子息は私と同世代であり、社会起業に対して非常に理解と関心があり、話が大変弾みました。私達のような次世代で何かができないかという点で一致していました。

昨日の元外務大臣であり、医師でもあるProfessor Dr. Krasae氏との会談に続き、大変貴重な機会を得ることができました。

posted by 菅原直敏 at 22:22 | 調査活動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年12月24日

タイの自治体職員の育成状況

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敷田博昭神奈川県議を視察団長に、原聡祐神奈川県議、押見隆太大田区議、ビジネス界からは、Sonyの社員、東南アジアを拠点にビジネス展開をされる方とともにタイ王国にて視察を行っています。

タイ王国の元外務大臣であり、医師でもあるProfessor Dr. Krasae Chanawongse氏と意見交換を行いました。内容はタイの医療の現状、洪水のこと、自治体のリーダー育成のこと、東南アジアの動向等、様々な話題についてでした。

私が興味を持ったののは、地方自治体のリーダーを育成する取り組みを教授が行っていることです。年何回かの講義があり、その内一回は日本の自治体を訪れ研修を行うとのことでした。私も都合が合えば同席したい旨の約束を教授と行いました。

また、敷田団長からタオルとお菓子の寄付を子ども達に行いました。

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午後は、バンコク郊外のアユタヤにあるWellness City Groupeの施設を見学しました。

言葉で表現するのは難しいのですが、郊外の何もない土地に一つの人工的な街のようなものを作り、医療等の設備も整備した住宅建設を行っています。老人ホームとは少し意味合いが異なるようですが、主にリタイアした人などを対象に世界規模で住人を募集しているそうです。

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洪水の爪痕はあちらこちらでみられ、多くの住宅も床上に浸水しました。
posted by 菅原直敏 at 20:20 | 調査活動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年12月22日

小田原→大和→横浜

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写真:大和駅前のクリスマスツリーを前に演説する山本光宏議員

午前中は小田原児童相談所を調査しました。3年前に続き2回目です。


その後、地元に戻り、山本光宏議員の街頭議会報告に参加。佐藤正紀議員も参加しました。

夜はみんなのネットスクエア。安川有里議員、芳賀ようじ議員及び楠梨恵子議員がコメンテータでした。今日から画像が綺麗になりました。フジサワネットさんの技術指導のお陰です。

posted by 菅原直敏 at 21:21 | 調査活動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年12月21日

黒字至上主義の誤解〜政調会主催県内調査in県西部

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写真:生命の星・地球博物館


県議団政調会主催の県内調査を行いました。1泊2日で神奈川県西部の県有施設を調査しました。

秦野高等職業技術校、恩賜箱根公園、生命の星・地球博物館及び温泉地学研究所を調査しました。

私は全ての調査先を過去に何度か視察したことがありますが、新人議員は全て初めてです。様々な知見を得ることができたのではないかと思います。

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今回の調査先で特筆すべきは、生命の星・地球博物館です。この博物館は大変素晴らしい博物館なのですが、収支は約1億3千万円の赤字です(収入:6,637万円/支出:19,866万円)。

このような場合、得てして収支の黒字化の問題が指摘されます。確かに、どのような施設であっても単独で収支が黒字になることが望ましいのですが、博物館のような教育施設は必ずしも黒字になりません。

もちろん、博物館でも毎年予算のシーリングがかかるため、歳出は強制的に削減されています。しかし、これは大きな問題であると考えます。事務的経費等は歳出削減に馴染むのですが、このようなシーリングで削減されるのは必ずしも事務的経費に限られるわけではなく、博物館の本来的機能である調査研究機能にも影響を及ぼし、博物館としての質を下げてしまう可能性もあるからです。

館長の「博物館を営利施設と捉えるかどうか」という言葉は大変重要な問いかけであると受け取りました。博物館はお客さんを呼んで収支を黒にするための営利施設ではなく、人類の知を集約し、それを次世代に対して引き継いでいく重要な役割を担っているのです。

つまるところ、そのような博物館の社会的意義に対して1億円超の県民負担を900万人で行うことが是か非かという点で考えるべきですし、そう考えると少なくとも同博物館のクオリティや調査研究の活動を勘案すると、私はあまり高い出費であるとは考えません。

また、私は展示物に外国語表記がないことが毎回気になります。同博物館周辺は外国人観光客の通過経路にあり、同博物館の良さを世界の人々に知ってもらう良い機会であると考えるからです。博物館側に問うてみると、予算要求はしているものの、厳しい状況にあるとのことでした。おおよそ2,000万円が必要とのことです。

単年度で考えると高く感じますが、数年ベースで考えればそれ程高い出費であるとは考えません。ただ、より低い費用で効果的にできる方法も検討できるかもしれません。外国語表記は是非導入されたいものです。

最後になりますが、同施設は横浜の中心部にあれば必ず黒字になるような非常に興味深い施設です。立地はあまりよくありませんが、是非、訪れてみて下さい。


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写真:秦野高等職業技術校の視察風景

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写真:芦ノ湖から見える富士山
posted by 菅原直敏 at 23:23 | 調査活動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年12月17日

公務員制度改革と行財政運営〜鈴木英敬三重県知事

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横浜市会と神奈川県議会のメンバー6名で、鈴木英敬三重県知事を訪問しました。

知事は、自身の選挙公約である月給30%削減、期末手当50%削減を改選後すぐに実現したほか、もう一方の公約である総人件費の2割削減に向けて取り組んでいます。

以上の取り組みと、私達の自治体においてできることを調査するために三重に足を運びました。

多くの知見を得ることができました。

知事は非常に情熱的な方で、私達と世代も近いためか、様々な話題で盛り上がりました。

また、今回の調査の調整をして下さった中西勇三重県議会議員にも感謝です。
posted by 菅原直敏 at 19:19 | 調査活動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年12月08日

贅沢な調査活動〜「議会改革ブレークスルー10のセオリー」

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写真:松野議員の所属する会派の控え室でプロジェクターを用いながら説明を受ける様子

流山市議会のICT化の取り組み等を調査しました。

流山市議会の議会改革、特にICT化の取り組みは全国的にも有名であり、第5回マニフェスト大賞・最優秀成果賞を受賞するなど、各方面で評価されています。

対応して下さったのは、流山市議会改革の仕掛け人松野豊市議です。
調査の調整は普段から色々と情報交換をさせて頂いている森亮二市議です(当日は、常任委員会でしたので残念ながら対応は頂けませんでしたが、ネット中継で質疑の様子を拝見することができました)。

このように個人の伝で調査を行いましたが、最初に議場を議会事務局の職員の方にご案内頂いた後は、松野議員が数時間にわたり対応して下さり、非常に多くの知見を得ることができました。松野議員は様々な場所で講演活動をされている方ですので、ある意味相当贅沢な時間を独占させて頂いたことになります。

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流山市議会の議会改革の取り組みが素晴らしい点は、平成21年議会基本条例から始まり、「ICTの推進を求める決議」を全会一致で可決し、それに基づいて「ICT推進基本計画」を策定した上で、しっかりとした理念とヴィジョンに基づいて議会改革を進めてきた点でしょう。計画を持って物事を進めていくことは当たり前のことと一般の方は思われると思いますが、議会の合議機能が不全を起こしていることが常であり、結果的にモザイク的な体系性のない議会改革が行われることが大半です。松野議員は、このICT計画が一つの全国モデルになればとおっしゃっていました。内容は体系的であり、各議会で一般化できるよくできるものです。

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議場ではスマートフォンを用いた採決システムを視察しました。

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写真:モバイル端末

DOCOMOに特注したモバイル端末を用いて、採決を行うことができます。卓上の押しボタン式の設備にすると700万円以上かかるところ、この形式だと150万円で済んだそうです。予算がない中で如何に効率的なシステムを導入するかを考えた結果だそうです。

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写真:議場にはプロジェクターが設置される

賛否を問われたときに、モバイル端末のボタンを押すと、正面のプロジェクト画面に賛否の結果が表示されます。
このシステムを導入した結果として、住民が各議員の賛否の結果を迅速に知ることができ、採決結果に対する問い合わせなどもくるようになったとのことです。また、懸念されていた年配者の方々の利用についても問題なく運用されているそうです。

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次に、Ustreamを用いた委員会中継の取り組みも大変参考になりました。
予算が厳しい中、既存の配信サーヴィスを導入すると数百万円の費用が必要になります。しかし、Ustreamを導入すれば、初期投資に数十万円はかかるものの、あとはランニングコストに関しては人件費を除けばほぼ費用をかけずにできます。課題としては、配信の安定性とITを駆使できる職員の育成だそうです。

松野議員との意見交換中も、都市建設委員会の中継を同時で見ていました。





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最後に、議会改革の取り組みはその一つ一つをとってみれば、特段奇抜な内容があるわけでもなく、技術的な困難を伴うものでもありません。費用の問題も流山市議会のように知恵を絞って解決することは可能です。しかし、それにも関わらずなぜ多くの議会において議会改革が遅々として進まないのかが、2人の話題になりました。

そして、この点について松野議員が興味深い見解を示しているので、以下に引用してご紹介します。まさに卓見です。私も似た感じの認識を持っています。特に新人の議員さんはご覧になってみて下さい。

↓↓↓
「地方議会改革を推進したいけれど、
なかなかうまく進まず困っている」
という現職の地方議員の方々向けに、
「議会改革ブレークスルー10のセオリー」
と題して、ブログを書いてみました。

10のセオリーを書き終えてみて、
このほかにもセオリーはあると感じます。

この記事がキッカケとなって、
全国に散らばる改革派地方議員のトップランナーたちが、
他のセオリーもドンドン更新して、
この火種が全国に波及し、
地方から日本を、
より良く変えていくキッカケになったら、
とっても嬉しい限りです。
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【Theory1】
議会改革は議員同士のコミュニケーション改革。

※主義主張や方法論が違っていても、
 自分たちの故郷をより良くしていこうという思いで、
 選挙を戦って有権者から選ばれた人たちなのだから、
 ひとつになれる。
 という信頼ポイントを置いて、
 まずは、
 会派党派を超えた一人の人間同士という関係を創り上げる。
 また、五感を開いて、相手をよく観察し、
 相手議員の本音と建て前を、しっかりと見極める。

【Theory2】
地方議会に関わる法律(主に日本国憲法や地方自治法)や、
仕組み(議会(代議)制民主主義、二元代表制など)
を正確に理解をして、自分自身の腹に落とす。

※自分自身が勉強して得た知識を、
 他の議員にひけらかすような態度は、
 おくびにもみせてはならない。
 議員同士で議会改革の議論や自由討議をする際には、
 あくまでも淡々と論理的に議論をする。

【Theory3】
法律を紐解いて、地方議会の存在意義や、
民主主義とは主権在民であり、
代議制であることからも、
市民に開かれていない議会などあり得ない。
また、二元代表制(執行機関と議事機関=対等・協力)
ということを、
議員全員対象の研修会を企画して、
大学教授などの学識経験者から、
語ってもらう。

※講師選定の基準は、学識だけでなく、
 地方議会の実態も御存知かどうか?
 「あの先生は有名だから」とか安易な基準で、
 講師選定をするのではうまくいかない。
 講師の先生には、
 自分が所属する議会の問題点や課題について、
 予めレクチャーしておいて、
 講演後のゴールイメージを講師の先生と、
 共有しておく。

【Theory4】
議会改革先進地に議員個人や会派単位で行くのではなく、
議会運営委員会や議会改革特別委員会等、
議会の委員会として行く。

※視察後、「良かったね」とレポートを提出したり、
 ブログや会報誌で報告をして終わるのではなく、
 委員会で振り返りの会議を開催する。
 「うちの議会で実現するには」という観点で、
 議員同士で前向きに議論をしアクションプランにまで、
 落とし込まなければ、いつまで経っても前には進まない。 

【Theory5】
議員(個人)の活動と、選挙のための活動、会派の活動、
議会としての活動の棲み分けを明確にする。

※個人プレーで目立てば選挙には強くなるが、
 議会改革を牽引する存在には成り得ない。

【Theory6】
自分の手柄にしない。

※議会は合議制の議事機関。
 過半数の同意を得ることができなければ、
 様々な施策を実行に移すことは不可能。
 たとえ自分が発案者であったとしても、
 これを「自分が実現しました」とか言って、
 メディアに自分が登場するのではなく、
 先輩議員やキーマンとなる議員に、
 手柄を譲る謙虚さとしたたかさが必要。
 委員長ポストについているなどの関係で、
 自分が前に登場せざるを得ない場合でも、
 協力や賛同してくれた委員さんたちを、
 公の場で心から労う配慮が不可欠。

【Theory7】
議員同士の議論の様子を中継する。
例えば、
USTREAMであれば初期投資は、
ほぼかからない。

※守旧派で議会改革に反対する議員に限って、
 意外と有権者の目を気にする傾向がある。
 議論の様子をライブ中継することで、
 カメラの先にいる有権者を気にして、
 非建設的な意見を発しなくなる。

【Theory8】
議会内で合意形成できたものは、
決議等で議決をして機関決定する。

※議決して機関決定をすることで、
 決めたことに重みが増していく。
 俗にいう申し送り事項では、
 改選後に本当に申し送られるだけで、
 終わってしまいアクションにつながらない。

【Theory9】
議会事務局を味方につける。

※議会事務局のサポート(特に法制面)がなければ、
 議会改革の推進はない。
 議会事務局のスタンスは、
 実現できない理由を並べるのではなく、
 どうすれば、
 「障碍を乗り越えて実現できるのか」
 議員に提案することであることを、
 理解し納得してもらう。

【Theory10】
議会基本条例を制定する。

※流山市議会の場合は、
 「議会基本条例を制定するのだ!」と、
 当時の議員全員で決めたことによって、
 Theory1〜10まで全てのことが実現可能となった。
 「議会とは何か」「議員とは何か」「改革の先にあるものは何か」
 などなど、時には職員や学識者にもサポートしてもらいながら、
 まずは議員同士でトコトン議論を重ねることで、
 市民に開かれた議会を目指す風土が醸成されていく。
 ここまで来たら、
 次のフェーズは市民を巻き込んだ議会改革。
 その先に議会制民主主義の確立と、
 顧客(市民)オリエンテッドな市政の実現が見えてくるはず。









posted by 菅原直敏 at 20:02 | 調査活動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする