2016年08月26日

介護・福祉の施設・活動を巡る旅37件目〜ゴールドサポーター?!〜綾部市社会福祉協議会

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 京都府綾部市役所を訪問し、綾部市における担い手育成の取り組みについて、綾部市社会福祉協議会事務局長、綾部市高齢者介護課長等から説明を受けました。

 綾部市では、平成28年3月末で高齢化率が36.2%に達しました。これは平成52年(2040年)の日本の高齢化率の予測値と同程度です。高齢化率の視点だけで見れば、約20年後の日本の姿がそこにはあると言えるかもしれません。

 このような中、綾部市では市社会福祉協議会に委託して、認知症に限らず生活に困難を抱える人を支える担い手の育成に取り組んできました。

 ちなみに、綾部市は下着メーカーのグンゼの発祥の地です。登記上の本社は現在も同市であり、記念館もあるそうです。

1.担い手育成の仕組化

 綾部市では平成18年より認知症サポーターの育成に熱心に取り組んできました。平成28年3月末現在で9,000人程度のサポーターがおり、人口における割合は25.5%です。これは全国平均の5.5%を大きく上回る数字です。また、認知症サポーターの登録制も任意で行っており、3,000人程度が登録することで、社協から定期的な情報を受け取っています。なお、綾部市の取り組みは平成25年に全国キャラバンメイト連絡協議会推進委員会によって表彰されています。

 また、同時期にシルバーサポーターというステップアップの研修を開始し、平成21年からは厚労省が推進する生活・介護支援サポーター事業をゴールドサポーターに位置付け、さらなるステップアップの研修を行っています。平成28年3月末現在でシルバーサポーターは約2,300人、ゴールドサポーターは約370人いるそうです。なお、金銀両サポーターにもリングがあるようで、事務局長の腕には3色のサポーターリングが輝いておりました。

 認知症サポーター養成講座の課題として、その内容が入門的なため認知症の方を支える担い手の育成としては不十分であることやリング取得後のステップアップや活動開始への機会が少ないことが挙げられます。

 綾部市社協では、3種類の研修講座を順序立てて用意し、それぞれの研修にリングを用意することでわかりやすい動機付けも組み込むことで、担い手の育成を仕組化している点が、注目に値すると私は考えます。

2.認知症のみに特化しない地域福祉の担い手育成

 シルバーサポーターとは、綾部市社協が独自に作ったカリキュラムによって行われる研修を受けた担い手です。内容としては、綾部市の概要、地域福祉と自立、高齢期の心身の変化及び市内の高齢者の相談窓口といった内容を基本として、受講者のニーズに合わせてアレンジを加え、高齢者福祉全般への理解が深まる形になっています。講師は社協の職員が務めます。時間は60分程度です。現在2,000人強のシルバーサポーターがいます。

 ゴールドサポーターとは、厚労省が推進する生活・介護支援サポーター事業を綾部市版にした研修を受けた担い手です。研修内容は対人援助の基本、コミュニケーション技法、キャップハンディ体験、ニーズの考察、社会資源の考察及び社会資源マップづくり等、多岐に渡っています。講師は社協職員以外に大学教授や介護福祉士、社会福祉士といった専門職が務めます。受講期間は5日間で20時間となります。現在、400人弱のゴールドサポーターがいます。

 シルバーサポーターには年2〜3回程度、ゴールドサポーターには毎月、サポーター向けニュースレターを送付しています。担い手のレベルに合わせて伝える情報の量と頻度を変えていく手法は非常に合理的かつ効果的であると感じました。

 また、両サポーターは認知症サポーターのステップアップ研修という位置付けですが、認知症のみに特化していない点が重要です。世の中で支えを必要としている人は認知症の方だけではありません。私はこの点が非常に大切であると考えると同時に、「地域福祉」の担い手を育成していこうという社協職員のみなさんの並々ならぬ思いを感じました。

3.学びから実践へ

 金・銀サポーターになった方の中から、地域福祉に関わる人が出てくるという成果も段々と出てきているそうです。例えば、地域サロン・認知症カフェの開所・運営やボランティアを行う人が増えてきたとのことでした。
 
 そして、この成果を単体の成果で終わらせない仕組も見逃せません。「ハッピーカード」という高齢者の方との援助にかかるエピソードを記入し、発表するための用紙の配布や、認知症サポーターを養成する側のキャラバンメイト同士が情報共有するキャラバンメイト連絡会といった場も提供しています。

 このような取り組みの結果、各サポーターの良い取り組みの情報が共有され、さらなる活動の底上げに繋がっているようでした。カフェへ人に集まってもらうやり方やカフェで足湯をやると輪ができるなど様々な有効な取り組みをご紹介頂きました。地域を越えて神奈川県大和市に住む私もその内容を聞き、情報共有できました。また、地域での実践に生かせそうで、聞いていてワクワクしました。

 その他、高齢者や認知症の方々及びその家族を応援する店をシルバーサポート店(55店舗)に認定したり、ゴールドサポーターの上にくらしサポート推進員という地域福祉のコーディネータを育成しようとする挑戦など、お話をお伺いしていて非常に勉強になりましたし、私の地域でも生かせそうなことも少なくありませんでした。

 上級認知症サポーター養成の先進事例ということで当初はお伺いしましたが、良い意味で裏切られた取り組みでした。

 説明の際、事務局長や職員の皆さんの楽しそうな雰囲気が印象的でした。このような雰囲気に今回調査した取り組みの自発性が感じられます。担い手を育成するという最も大切ですが、困難な取り組みに挑戦されている点に敬意を表し、また調査に対応して頂いたことに感謝申し上げます。

千里の道も一歩から

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●綾部市社会福祉協議会のHPページ http://ayabe-shakyo.or.jp/manabi.html
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2016年08月25日

介護・福祉の施設・活動を巡る旅36件目〜この子らを世の光に(糸賀一雄)?滋賀県立近江学園

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滋賀県立近江学園を訪問し、植田重一郎園長より、施設の沿革と概要の説明を受けた後、施設内を視察しました。
 近江学園は昭和21年11月に当時滋賀県職員であった糸賀一雄先生らを中心として設立された知的障害児及び孤児収容施設です。昭和23年4月、児童福祉法施行に伴い「滋賀県立近江学園」となりました。6万8千平米(東京ドームの1.5倍の広さ)という広大な敷地に、緑に囲まれた施設群が広がっています。
1.この子らを世の光に〜糸賀一雄の痕跡
 「この子らを世の光に」と言えば、日本で福祉に関わるものであれば知らない者はいない程、有名な糸賀一雄先生の言葉です。
「『この子らに世の光を』あててやろうというあわれみの政策を求めているのではなく、この子らが自ら輝く素材そのものであるから、いよいよ磨きをかけて輝かそうというのである。『この子らを世の光に』である。この子らが、生まれながらにしてもっている人格発達の権利を徹底的に保障せねばならぬということなのである。」
(糸賀一雄著「福祉の思想」より)
 福祉学のテキストでしか糸賀先生に触れたことはありませんでしたが、今回の調査では先生にかかる門外不出の資料も拝見することもでき、改めて先生のエネルギーを時代を超えて感じることができました。
 まず、興味深かったのが先生の経歴です。京都帝国大学出身のエリートだったためか、若くして滋賀県庁内の様々な要職を歴任しています。昭和17年頃には県職員と兼任で県警の警部を勤めています。現在の県庁・県警の組織関係ではありえないことですが、戦前はこのような兼任もあったようです。また、近江学園は民間施設として開設されていますが、何故県職員であった先生が園長になることができたのかは、現園長にお伺いしても、先生の経歴書を見ても判明しませんでした。
 自らを白い共産主義者と名乗り、職員の給与をプールし、子供たちの支援にあて、残った部分を職員に再配分するようなことも行っていたそうです。現在であれば、おおよそ許されないことですが、当初はそれくらいの熱意を持って臨んでいたことの表れかもしれません。現園長から説明を頂いた、耐貧の生活、不断の研究及び46時中勤務という、過酷な先生の考えも、日本の福祉の黎明期には必要な要素であったのかもしれません。
 この中で不断の研究の理念は現在も生きており、近江学園の職員は年初に自らのケアについて研究目標を設定し、発表会を行っているとのことでした。科学的根拠(エビデンス)に基づく支援のためです。
 先生の影響は近江学園に留まらず、派生して様々な施設が県内に設置されただけではなく、県外にも及びます。例えば、神奈川県秦野市にある弘済学園は、近江学園の流れを汲む千葉県の日向弘済学園が移転したものです。
 この他にもここに書ききれないくらい糸賀一雄先生のお話しをお伺いしましたが、先生亡き後においても、多くの影響を世の中に与え続けていることを感じることができました。
2.職業訓練
 近江学園の特徴として、職業訓練が挙げられます。これは全国の児童施設にはない取り組みだそうです。
 児童は木工と窯業の二つのコースのどちらかを選択し、日々職業の訓練に取り組みます。木工と窯業の2種類しかありませんが、これは彼らが将来的にこのどちらかの分野に進むことを目指しているのではなく、この作業を通じて、わからないことを人に聞いたり、人と対話をしたり、8時間働く感覚をやしなったりといった仕事をするために必要な感覚を身につけさせることに主眼を置いています。
 
 従って、作業場にはタイムカードも置いてあります。もちろん給与計算に必要なわけではなく、通常の職場にはたいていタイムカードがあるため、職業訓練として体験をすることに意味があります。
 児童が作成した作品を拝見しましたが、中には世の中に出して商品になるような品質のものもあり、実際に売られているとのことでした。現在の天皇陛下が皇太子の時に近江学園に行啓された時に座られた椅子などは大変素晴らしいものでした。
 近年はアールブリュットとして、様々な作品を展覧しているそうです。
3.障害の多様化とニーズの変化
 近江学園は戦災孤児の収容施設として始まりました。戦後という時代背景があったためです。その後、高度経済成長期には障害児がその中心となり、現在では虐待や発達障害も含めた多様な障害への対応が求められています。また、大規模施設から小規模な小舎への転換も時代の要請となっています。
 これらの支援の課題を、@被虐待児の育ち直し、被虐待からの回復、A重度児の生きにくさの軽減及びB軽度児、発達障害児の自立支援に同学園ではまとめています。
 施設の建て替えも検討される中で、これらの課題にどのように向き合って行くかが重要であるとの園長のお考えでした。これは神奈川県にも当てはまることです。
 平成28年7月26日に神奈川県立津久井やまゆり園で起こった惨事によって、神奈川県のみならず全国的に障害者施設のあり方が問われています。施設の安全をどう守るかという防犯面の議論も大切ですが、改めて障害を持った方々と如何に共生社会をつくっていくのかということに目を向けていくこと抜きには語れません。
 現代に生きる私たちにこそ、「この子らを世の光に」という糸賀一雄先生の理念を見つめ直す必要があると強く感じました。
Stay hungry, Stay foolish!!
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滋賀県立近江学園のHP http://www.pref.shiga.lg.jp/e/omigakuen/
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2016年08月04日

介護・福祉の施設・活動を巡る旅35件目〜災害時における介護施設の役割?特別養護老人ホームひろやす荘

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熊本県益城町で特別養護老人ホーム等、介護事業を総合的に運営するひろやす荘(社会福祉法人慈光会)を訪問し、理事長と施設長から、震災時の介護現場の現状等についてお話を伺った。

 益城町自体は被災の爪痕がひどかったが、数年前に立て直されたゆろやす荘は非常に素敵な内観の特養で、結果的に被災を免れ、被災地支援の拠点にもなった。

(1)有志による支援
 
 施設長のお話によると震災発災後、ひろやす荘に駆けつけたのは全国訪問ボランティアナースの会キャンナスや社会福祉法人福祉楽団などの民間団体の皆さんだったそうです。災害支援に慣れたボランティアが参集し、自発的に支援活動を始めたとのこと。他にも私の地元の特別養護老人ホームみなみ風の理事長等、神奈川県内の介護関係者も活躍していたとのお話しをお伺いした。
 災害は起こらないことが最も良いが、災害が起こるたびに支援に熱心な人々の支援スキルやネットワークが向上している印象を受けた。このような公によらない支援の力は大切にしたい。
 

(2)機能しなかった公的システム

 行政の構築したシステムが機能しないというジレンマに直面したとのお話があった。
 例えば、福祉避難所「「主として高齢者、障害者、乳幼児その他の特に配慮を要する者(以下この号において「要配慮者」という。)を滞在させることが想定されるものに あつては、要配慮者の円滑な利用の確保、要配慮者が相談し、又は助言その 他の支援を受けることができる体制の整備その他の要配慮者の良好な生活環 境の確保に資する事項について内閣府令で定める基準に適合するものである こと。」(災害対策基本法施行令第20条の6第5号)」とされている。
 ひろやす荘も協定を結んでおり、福祉避難所設置の申請を町役場に行ったが、担当者が配置転換されたばかりであったこともあり、福祉避難所についてしっかりと把握していなかったとのことであった。
 災害時にかかる制度や協定は大規模な災害の度に積み上げられているが、改めてその仕組みが機能するかを確認する作業を平時から行うことが重要であると感じた。

3.インフラとしてSNS
 
 今回の災害において、SNSが支援に関する情報共有において大きな力を発揮したとの説明があった。東日本大震災の際にもSNSが情報を入手するツールとして注目をされたが、あれから5年が経ち、コミュニケーションのインフラとして機能していることがわかる。
 SNSは文字データが基本であり、状況によっては画像や動画情報を共有できるという点が特徴であり、多人数の情報共有には有効な手段である。しかし、前提として通信基盤が整備され、電波状況が有効に機能していることが必須である。従って、災害時においてもWIFIなどが有効となる整備を神奈川県でも進めていく必要があると感じた。

 以上、ひろやす荘の調査を通じて感じたことは、公民どちらの支援においても、普段より顔の見える関係をしっかり構築しておくことである。平時に機能しない関係が有事に機能することはないということである。他にも、民間の人が避難してきたために福祉避難所として以上の役割が求められるなど、災害時には予期せぬことが多く起こるとのことであった。

 災害時における介護施設のあり方については、今後も調査を進めていきたい。

千里の道も一歩から

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ひろやす荘のHP http://www.jikou-kai.com/hiroyasu
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2016年07月25日

介護・福祉の施設・活動を巡る旅34件目?フードバンク?高齢者の住まいのサポートの結果

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座間市にあるNPO法人ワンエイドを訪れ、フードバンクの取り組みについて、理事長の松本篝さんと理事の石塚惠さんからお話をお伺いしました。

フードバンクとは、まだ食べられるにもかかわらず廃棄されてしまう食品を個人や企業から引き取り、生活困窮者や福祉施設等に配給する活動です。米国で1970年前後に始まり、日本では2002年にNPO団体が始めました。

ワンエイドは、神奈川県の県央地域においてこの取り組みを展開しています。

1.高齢者の住まいサポートから見つかったニーズ

ワンエイドでは、当初高齢者の住まいのサポートなどを行っていました。住まいのサポートをする中で、日々の食事に困っている方からの相談が増えたことで、食料にかかるニーズを発見しました。

これが、ワンエイドがフードバンク事業を立ち上げるようになったきっかけだそうです。

2.フードドライブ

フードバンクについては冒頭に説明しましたが、「フードドライブ」という概念があります。これは、私たちが家庭で余った食べ物を寄付する活動のことを表します。

つまり、フードバンクとは私たちがフードドライブを行い、それらが食料を必要とされている人たちに渡ることで成り立っています。

食料を集めるための「フードボックス」を設置してくれるところも現在座間市を中心に拡充しているそうですが、当初は公の機関の不理解に苦しい思いをされることも少なかったそうです。

3.ソーシャルワーカーよりもソーシャルワーカー

私がお二人のお話をお伺いして感じたことは、ソーシャルワーカーよりもソーシャルワーカーらしいことをされているということでした。彼女たちが念頭においているのは「制度の狭間にいる人の支援」です。

従って、制度を前提に支援を考えるのではなく、ニーズを前提に何ができるかという視点で支援を考えていたら、今の活動にたどり着いたという感じです。

ニーズを発見し、制度のあるなしに関わらず、地域資源も最大限動員し、支援に繋げるというのは、まさにソーシャルワークの大きな役割です。

さらに、座間市内のコミュニティカフェや市民活動の取り組みのチラシをお互いに繋げ合うことで、地域活動がシナジー効果を生むような取り組みにも熱心です。ワンエイドの事務所を訪れて、座間市内の市民活動が俯瞰できたことには驚きです。

制度の仲介に終始しているソーシャルワーカーが少なくない中、ソーシャルワークが本業ではないお二人が、本業を持ちながら、このような活動をされていることに脱帽です。

県央では先駆的な取り組みになりますが、私自身も微力ながら応援をしていきたいと思います。

千里の道も一歩から

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NPO法人ワンエイドのHP
http://own-aid.com
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2016年07月22日

介護・福祉の施設・活動を巡る旅33件目〜「社協」って何だ?〜大和市社会福祉協議会

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介護・福祉の施設・活動を巡る旅33件目〜「社協」って何だ?〜大和市社会福祉協議会
7月21日(木)、社会福祉士養成の実習も兼ね大和市社会福祉協議会を訪れ、事務局次長よりお話をお伺いしました。

1.「社協」って何だ?
知っている人であれば、「社協」と略して呼びますが、社会福祉協議会とは一体何なのかということを改めて説明しようとするとなかなか難しいことに気付かされます。
社協とは、地域福祉の推進を目的とする団体(社会福祉法第109条)であり、その起源は1908年の中央慈善協会の設立まで遡ります。
役所から幹部を受け入れている社協も多く、公の事業を担うことも多いこともあり、さらには社会福祉法に位置付けられている組織であることから、社協を公の団体と思っている人も少なくありません。
いずれにせよ、日本の福祉の中核を担ってきたことは間違いない組織です。

2.大和市社会福祉協議会

大和市社会福祉協議会の沿革は、戦後まで遡りますが、実質的な活動が盛んになってきたのは昭和52年に社会福祉法人の認可が下りたところからのようです。昭和54年には市内最初の地区社協を設立し、平成元年には最後の地区社協が上草柳地区に設立され、現在の11地区社協の体制になりました。
自治体によっては、未だに地区社協を全域に編成できていないところもあるようで、大和市は地区社協が活発であるところに特徴があるようです。

3.会費収入の減少と住民の不理解

市内の福祉の関係者にお伺いすると、かつての大和市の福祉は、社協がかかわっていたものも含めて、全国から注目される取り組みも多かったとのことでした。業界紙にもよく取り上げられていたとのことです。

一方で、大和市社協の課題の一つは会費の減少です。大和市社協では、昭和52年の法人化を契機に全戸会員制をとっています。市内の大半の地域においては自治会がその徴収を行っています。

ただ、会費の支払いを拒否する者もいますし、自治会の中には徴収が負担であるために、自治会費に上乗せして徴収する自治会もあるようです。確かに、社協の事業もよくわからないまま、当然のごとく徴収されることに納得のいかない住民がいることも理解できます。また、自治会費に上乗せしてしまうと、徴収事務は減りますが、会費を払うという行為を通じて社協に接するという本来的な意義も失われてしまいます。

公性を帯びていますが、民間団体であることを考慮すると、会費も含めて自らの自主財源で運営していくことが理想ですが、なかなか難しいようです。これは社協に関わる全国的な課題とも言えるかもしれません。

このような中、社協では書き損じのハガキを集めるなど、様々な形で財源を集める努力もしていました。また、「もったいないからありがとう」を合言葉に、経済的困窮者へのフードバンク的な取り組みも始めています。

地域福祉は、住民の理解と参加によって成り立つだけに、今後の社協との関わりも含めて、改めて「社協とはどうあるべきか?」ということを考える時期なのかもしれません。

個人的には地域にもっとアウトリーチしていく、ソーシャルワークまたはコミュニティワークの機能を拡充していけると良いのではないかと思いました。

地域福祉に関わる者として、改めて大和市の社協について学ぶ機会を頂けたことに、大きな意義がありましたし、対応して頂いた事務局次長には感謝です。

千里の道も一歩から

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大和市社会福祉協議会のHP
http://www.yamato-shakyo.or.jp/index
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2016年06月21日

介護・福祉の施設・活動を巡る旅32件目?里親とは何ぞや??里親センターひこばえ

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神奈川県が社会福祉法人唐池学園に委託している「里親センターひこばえ」を視察しました。同センターは里親制度の普及啓発を促進するため、県里親会及び地区里親会、各児童相談所の所管区域ごとに設置している「家庭支援センター」等と連携し、全県的な里親候補の掘り起し、新規里親の開拓を進めるとともに地域における里親制度の理解を促進すること、また、虐待等により、児童相談所が里親に委託した子供と日常生活を共にする里親に対して、養育スキルの向上や児童心理の専門知識のある相談員への相談を行う場を作ることを目的としています。主な事業として、「普及啓発」「里親支援」及び「委託推進」の3つの事業を行っています。

神奈川県の担当課長と職員の方にも同行して頂き、里親支援専門相談員の矢内さんからセンターの概要についてご説明を頂き、その後、親子での料理教室に参加させて頂きました。

1.里親の普及啓発の困難さ

「里親という言葉」を知らない人はほとんどいないでしょうが、「里親が何たるか」を正しく理解していない人は結構いるのではないかというのが私の実感です。実際、現場で福祉に関わる人の中にも理解が曖昧な人が多いとのことでした。

その理由としては、里親自体が身近でないということが挙げられると思います。私自身も大学院の授業や同センターを訪れるまで里親という概念や里親の皆さんに実際に触れたことはありませんでした。

次の理由として、制度が多少複雑である点も挙げられると思います。里親といっても、「3日里親事業」のように短期的に児童を預かるものから、18歳になるまで長期的に養育するものもあります。また、通常の養育里親だけでなく専門的な研修を受けた専門里親という制度もあり、養子縁組とは異なります。

矢内さんもこの点は課題として捉えており、漫然と普及啓発に取り組むのではなく、対象を絞っての普及啓発に取り組んでいるとのことでした。人的、経済的資源が有限な中、このような戦略的な取り組みは重要であると感じました。

2.里親センターの意義

神奈川県には従来より、各児童相談所に設置された「家庭支援センター」もあり、各地域ごとに里親促進や交流の活動も行われています。従って、里親センターの意義は「地域性」よりも「全県性」に求められます。

私が視察した際も、地域の異なる里親さんが子供達を連れ、お料理教室を通じて交流をし、意見交換をされていました。

また、もう一点里親さんとお話をする中で、同センターの意義を確認しました。それは、従来の児童相談所では「敷居が高い」と感じる人もいるということです。確かに、アパートの最上階をアットホームに活用している同センターでは、職員の皆さんも比較的フレンドリーな印象を持ちました。

そして、何よりも里親支援専門相談員の矢内さんから並々ならぬ意気込みを感じました。母体の唐池学園が児童福祉において県内の老舗であることも影響しているのかもれません。結局は福祉に関わる施設や制度はどんなに見た目が良い箱を作っても、中身にいる人が良くなければ機能しません。

3.里親のみなさんと接して

お料理教室を通じて里親の方々や子供達と接し、食事をしながら意見交換をする機会を頂きました。これは私にとって非常に貴重な機会でした。お話をさせて頂くと、座学で学んでいる「社会的養護」とは異なる「里親像」も垣間見ることができたためです。

例えば、里親研修を受け、登録された里親の方はすぐに長期的な養育里親となるわけではなく、その間何名もの短期的な里親を経験することも少なくないということです。

また、研修を通じて、里親に対する考え方を改める方も少なくないようです。里親の中には不妊治療の末に里親を考える方も少なくありません。しかし、研修の家庭において「子供の最善の利益」とは何かという点について学び、良い意味で肩の力を抜いて里親というものを捉えるようになった例もあるという点です。

他にも、頂いたご意見は全て貴重なものでした。

以上、今回の視察を通じて、改めて里親制度について考えさせられると同時に、制度の理解を様々な視点で進めていくことが重要であると認識しました。また、開所より一年足らずと手探りな状態ですが、同センターの取り組みと職員の皆さんの熱意が良い形で里親の皆さんに還元されていくことを期待しています。

矢内さんや職員の皆さん、小島課長と職員の方、そして里親と子供の皆さん、ご対応頂きありがとうございました。

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●里親センターひこばえHP
http://www.sato-hikobae.org
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2016年05月13日

介護・福祉の施設・活動を巡る旅31件目〜フレンチレストラン〜レストラン アンシェーヌ藍(社会福祉法人藍)

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敷田博昭神奈川県議会議員のご紹介で、三軒茶屋にある「レストラン アンシェーヌ藍」で食事を楽しんできました。調理長に東京會舘出身のシェフを迎え、素敵なフレンチを提供するレストランです。三茶ではちょっと知られたお店で、安倍首相もご利用されたこともあるそうです。

多少ユニークな点は就労継続支援事業B型施設であること。障害者の方々が、接客、調理補助、開店準備、清掃などの仕事を行っています。

1.フレンチ
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就労継続支援事業B型施設は様々な業態がありますが、フレンチという切り口も新鮮でした。好きなワインと合わせてコース料理を頂きましたが、素敵なマリアージュでした。

基本的にはランチのみの営業ですが、事前予約すれば夜を貸切でご利用できます。今回は夜の時間帯を貸切、グループで食事にきました。

2.藍染

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母体である社会福祉法人藍の原点は、1983年に代表の竹内睦子(自身も障害者)さんが徳島県で藍染の修行し、藍工房を設立したことに始まります。その後、国内だけでなく国外でも藍工房展を開催し、工房作成の藍染製品の評価を高めていきました。

1988年には「藍工房アメリカ」をワシントン州バンクーバーに設置し、障害者の方々にアメリカでの生活を経験できるようにするなど、挑戦的な取り組みも行ってきました。

レストランには藍染の製品が販売されていました。私は素敵な藍染のストールを購入しました。個人的には藍染のロングストールが欲しいです。

3.できないことは何かを知る意義

レストランのマネージャーの經塚章寛さんは「障害者のみなさんができないことを知れば、何ができるかがわかります。そのできない部分だけをサポートするのが私たちの役目です」という旨のことを笑顔で話されました。当たり前のことかもしれませんが、ともすると必要以上に障害者の方々に過保護的に対応したり、役割を奪ってしまっていることもあるのではないかと考えさせられました。

メインシェフになり得る人はまだいませんが、補助的にかかわりこれだけ素敵なフレンチを提供できるわけですから、可能性は無限です。

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經塚さんは元々他の法人の特別養護老人ホームで介護に関わった経歴を持つ介護の専門職の方です。藍の理念に共感して現在はマネージャー職に就かれたそうです。フレンチレストランのマネージャーですからスーツとネクタイでキッチリ決まっています。「ネクタイをつけたくないから福祉の現場に出たのに、福祉でネクタイをつける現場に出るとは思わなかった。」と冗談めかしく笑っていました。

田園都市線「三軒茶屋駅」南口B出口から徒歩1分強の駅至近の立地です。みなさんもよろしかったら素敵なフレンチを楽しんでください。

対応頂いた、大野さん、經塚さん始めスタッフの皆さん、ありがとうございました!

Stay hungry, Stay foolish!!

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レンストラン アンシェーヌ藍のホームページ
http://www.ancienne-ai.aikobo.or.jp
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2016年05月10日

介護・福祉の施設・活動を巡る旅30件目〜障害児の未来のキャリアデザイン〜遊びリパーク リノア



湘南、辻堂西海岸にある辻堂団地(UR)の一角にある「遊びリパーク リノア(NPO法人ラウレア)」を見学してきました。

リノアは肢体不自由児(小学生〜高校生)を対象とした放課後等デイサービスを主な事業としています。

理事長の横川さんらが、設立前から地域のニーズをくみ取りながら作り上げたという点では、地域共存型デイサービスと言えるかもしれません。実際、地域の方々が参加できるズンバ教室等も開催しています。

放課後等デイサービスは初めての見学でしたが、制度が抱えるメリット・デメリットも含めて色々勉強させて頂きました。

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1.とにかく広い

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URから借用しているテナントスペースはとにかく広い。平米数は確認しませんでしたが、イメージとしてはちょっとしたドラッグストアや小規模なスーパーくらいの広さです。

この広いスペースを縦横無尽に子供達が駆け回れます。しかも定員は10名。トランポリンや滑り台などの巨大遊具やスパイダーという立位が困難な子供が使う面白い遊具もスペースを気にせず贅沢に配置されています。

おそらく国内でも有数の広さの放課後等デイサービスではないかと思われます。

2.専門職配置へのこだわり

放課後等デイサービスと一口に言っても様々な形態があるそうです。家族のレスパイトを目的とするもの、塾のような勉強中心のもの、子供の遊び場を提供するもの。また、近年では民間のフランチャイズの事業者の参入も増えており、中には「介護業界未経験でも問題無し!」大々的にアピールするフランチャイズ本部もあります。

確かに、施設を稼働させ、収益をあげるという点にのみフォーカスするのであれば、未経験の集団のみでもデイサービスを稼働させていくこともできるかもしれませんし、人件費も抑制でき収益率も上がると思います。

しかし、このような大きな潮流がある一方で、リノアは専門職の配置に拘っています。私が訪れた日にも、作業療法士、看護師等の専門職の方がおりました。県内でもOTと看護師といった専門職を配置しているデイは珍しいそうです。

専門職を配置すれば人件費もあがるけれど、敢えてそうするのはリノアの目的である「遊ぶ力を伸ばし、学ぶ力を身につけ、生きる力を育んでいくこと」を実践するためです。

こういう拘りは私は好きですし、こういう拘りのある事業者があることで、フランチャイズとの差別化もはかれ、利用する児童の選択肢も広がり相乗効果になると思います。

3.子供達の未来のキャリアデザイン

利用している中学生の女の子が、別の小学生の男の子のよだれを拭いている風景がありました。その子は将来看護師さんになりたいそうです。

一方で、現実はそんなに簡単ではありません。18歳を過ぎて彼らの大半が選べる選択肢はほとんどないのが現状です。

しかし、作業療法士の大郷さんは「子供たちがもっと多様な将来を進んでいけるような取り組みもしていきたい」旨のお話をされてました。障害児の未来のキャリアデザインです。また、「子供たちに社会性を身につけさせたい」と言っていたのも印象的でした。

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今後は広大なスペースを活用して、放課後等デイサービス以外のサービスや活動を展開していくことも検討されているそうです。
湘南地域での壮大な挑戦。期待しています。

横川さん、大郷さんそして対応して頂いた職員のみなさん、ありがとうございました!

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2016年05月09日

介護・福祉の施設・活動を巡る旅28件目〜求職者支援制度をご存知ですか?〜てらすケアカレッジ大和

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大和市中央にあるてらすケアカレッジ大和を訪問。介護における就労支援の取り組みについて代表の田中信彦さんからお伺いしました。

ケアカレッジ大和では、求職者支援制度を活用した人材育成などを事業として行っています。

特徴としては2つ。

@完全通学制の「実務者研修」のカリキュラムを提供していること

A将来を見据えたキャリアコンサルティングを徹底していること


1.最も重要なことは教育である

田中さんのご説明の中で、何度も強調されていたことは「介護における教育の重要性」でした。

同感です。

介護の現場は常に人手不足。「猫の手も借りたい」よろしく、玉石混在の人材が日々介護現場に送り込まれています。「介護職でも」「介護職しか」といったいわゆる「でもしか介護職」が少ないのも現状。

でも、きっかけが「でもしか」であってもよいではないか、介護に興味を持ってもらえるだけ。但し、「でもしか介護職」であってもしっかりとした技術と知識を持って現場に送り込むための「教育」だけは譲れない。

そのため、てらすケアカレッジでは、通信教育を混在させる実務者研修が多い昨今、全て通学の実務者研修を半年間かけてみっちり行っています。

私が見学した授業は、マナーや話し方の講座。介護技術だけではなく、社会人としての当然のマナーも身につけさせて、介護現場に送り込む。まさにキャリアを意識した教育がそこでは行われていました。

2.求職者支援制度の認知度

「求職者支援制度」、名前だけは私も聞いたことはありましたが、その内容についてはいまいち理解をしていませんでした。この点について、田中さんより基本的なことから教わりました。

厚生労働省の説明によると、求職者支援制度とは以下の内容です。

・求職者支援制度とは、雇用保険を受給できない求職者の方(※1)に対し、
(1)無料の職業訓練(求職者支援訓練)を実施し、
(2)本人収入、世帯収入及び資産要件等、一定の支給要件を満たす場合は、職業訓練の受講を容易にするための給付金を支給するとともに、
(3)ハローワークが中心となってきめ細やかな就職支援を実施することにより、安定した「就職」を実現するための制度です。
(※1 雇用保険の適用がなかった方、加入期間が足りず雇用保険の給付を受けられなかった方、雇用保険の受給が終了した方、学卒未就職者や自営廃業者の方 等)

出典: http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyushokusha_shien/

ざっくり言うと、失業をして雇用保険の期間内に就業できなかった人に対するセーフティネットがなかったため、新たに創設された制度です。リーマンショック後のお話です。

説明をお伺いすると、内容は悪くないが、この制度を知っている人が多くないという現状と課題が浮かび上がってきました。

そもそも、ハローワークが窓口というのが敷居が高いと感じます。自分も経験しましたが、失業してハローワークに行くことは、結構勇気がいるものです。多様な窓口があってもよいのではないでしょうか。

ここら辺は、周知と運用の問題、やりようはあると思います。



3.相次いで撤退する就業支援機関

7月に神奈川県内で介護分野で求職者支援に名乗りを上げているのはてらすケアカレッジだけだそうです。

介護人材の需要は高いけれど、申し込む人は減っている。最近は景気も多少良くなり、ますます介護業界を目指す人が少なくなっているそうです。

その結果、閉鎖をする教育訓練期間も後を絶たないとのこと。しかし、てらすケアカレッジは攻めの姿勢です。有償の介護教育機関「湘南国際アカデミー」との連携も大和・相模大野で行っています。

授業の最後に、生徒の皆さんの前で私も少しお話をさせて頂く機会を、僭越ながら頂きましたが、私の事業所に来て頂きたいような方もいらっしゃいました。

事業所は未経験の「でもしか介護職員」ではなく、しっかりと教育を受けた人材を欲しています。

ここら辺がよりよくマッチングしていくと良いと思います。



今日は、田中代表の教育にかける熱意とさらなる挑戦のお話をお伺いできて大変興味深かったです。また、介護における就労支援の取り組みを概観できたことは非常にプラスでした。

てらすケアカレッジは今後さらなる発展を遂げるとのことです。その内、代表からも案内があると思いますが、大和市にある就労支援機関として期待大です。

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てらすケアカレッジのHP http://www.terrace-care.jp
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介護・福祉の施設・活動を巡る旅27件目〜障害におけるニュームーブメント〜福祉創造スクウェア・すぷら(県央福祉会)

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本日、県央福祉会が設置した「福祉創造スクウェア・すぷら」という障害者の多機能型事業所の開所式にお招き頂き、館内を視察しました。

以下、パンフレットからの引用です。

ここは、心地よい刺激を与えるさまざまな体験ができる場所。
そこで生まれる小さな芽吹きを、多くの人々と喜び合いたい。
地域とつながる新たな枝を一生懸命伸ばしていきます。
※「すぷら」という名前は「sprout:芽吹き」からつけられました。


名前の由来も興味深いですが、畑に囲まれた田園風景の広がる大和市上和田に、生活介護、就労継続支援B型及び短期入所の障害者施設が誕生するとになりました。

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1.地域に開かれた場に

館内を視察すると、非常に開放的で素敵な造りになっています。設計当初から、地域の人たちも利用することを想定しており、閉鎖的な施設からの脱却という設置者の強い意志が感じられました。

障害者が利用する施設は、閉鎖的なものが少なくありません。地域開放という前提に立っていることは非常に大切であると感じます。

2.遊び心が多彩な活動空間

パンフレットには、「自主製品の開発や創作活動(絵画・陶芸・ステンドグラス・木工・音楽・ムーブメント活動・コンピューターグラフィック・アートフラワー・等の制作)や発表会、スブーズレン(Snoezelen)を導入し、感覚刺激空間での最適な余暇やリラクゼーションの時間を提供し、プロセスを大切にした支援を行います。」とあります。

とにかく盛りだくさん。多目的ルームの裏にはボディペイントを前提としたシャワールームがあったりと、遊び心が満載です。

3.高収入を得られるお仕事を

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すぷらでは、就労支援も重要な柱。1・2階に4部屋ある作業室には大量のパソコンが配備されています。ちょっとしたIT企業のようです。

県央福祉会では障害福祉におけるICTの活用について熱心に取り組んできており、コンピュータを用いた就労支援についても実績があります。
本日も作業室に利用者様がいましたが、パソコンをなんなく使いこなしていました。ホームページの作成なども行っていくそうです。

障害者が高収入を得られるような付加価値のある仕事をー興味深い挑戦です。



総工費5億円以上をかけた施設は確かに立派。100以上の様々な形態の事業所を抱える県央福祉会の事業展開は現在の社会福祉法人としては「異例」ですが、県社協の来賓が述べていたように社会福祉法人の「本来あるべき姿」。

本日より開所なので、実績からの判断はできませんが、まさにお手並み拝見。期待をして見守っていきたいと思います。

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2016年05月06日

介護・福祉の施設・活動を巡る旅26件目〜都心のど真ん中の特養〜千代田区立一番町特別養護老人ホーム(社会福祉法人東京栄和会)



今日は都心のど真ん中、千代田区にあるいきいきプラザ一番町を訪問し、千代田区立一番町特別養護老人ホーム(社会福祉法人東京栄和会)や「いきいきはあとカフェ」の取り組みを視察しました。

なお、同特養は東京23区において、最後まで特養が作られなかった千代田区において初めてできた特養です。千代田区内には3つの特養があります。

また、いきいきプラザ一番町は特養、デイサービス、高齢者住宅、居宅支援事業所といった高齢者施設だけでなくプール、交流スペースも入る複合施設です。国鉄総裁の公邸跡地に建てられたそうです。

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1.いきいきはあとカフェ



いきいきはあとカフェは、今年から千代田区社会福祉協議会主催で開催されている認知症(予防)カフェです。場所はいきいきプラザ一番町1階フロアです。

今回で3回目の開催となりますが、月2回金曜日の13〜15時に開催されています。内容としては、講師による講座があり、そのあとに参加者同士の交流があります。

今回は東京都健康長寿医療センター研究所の杉山美香先生による認知症の講座がありました。

参加者については初回は告知に力を入れたこともあり40名程度でしたが、ここ数回は20人前後だそうです。今回も20名でした。参加者のほとんどが高齢者の方でした。

運営費用は区からの補助金です。

終了後、講師や主催者の方々との反省会にも参加させて頂きました。ボランティアの方々の関わりが課題であると感じました。


2.特別養護老人ホーム

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ここは千代田区立の特養ですが、指定管理者として社会福祉法人東京栄和会が運営しています。

22年前の設置ということで、多床室が中心の古いタイプの特養とのことでした。個室がよいか多床室が良いかは片方に定まることではないですが、デイサービスも通常のもの(35名定員)と認知症型(12名定員)が併設されており、オーソドックスな形でした。

レトロな理容スペースがあったり、歯科診療室が設置されている点は興味深かったです。

3.職員募集〜都心ならではの課題

介護施設のメリットは、職の地産地消が行われることで地域経済に多少なりとも寄与することです。

しかし、千代田区一番町という土地柄、働いている職員のほとんどは千代田区外からの通勤者です。

千代田区にあるからといって、特別な待遇があるわけでもなく、職員の確保にはご苦労されているとのことでした。

近隣には億ションが立ち並ぶ地域、私の住む大和のような郊外地域にはない課題があることを学びました。


対応してくださった、飛田課長始め職員の皆様、ありがとうございました!

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いきいきプラザ一番町のHP http://www.ikiikiplaza-eiwa.jp
posted by 菅原直敏 at 23:44 | 介護・福祉の施設・活動を巡る旅 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年04月27日

介護・福祉の施設・活動を巡る旅25件目〜空き家×介護〜タガヤセ大蔵


伊藤大貴横浜市議のご紹介で、東京都世田谷区にあるタガヤセ大蔵(社会福祉法人大三島育徳会)を視察しました。伊藤市議は現在空き家のリノベーションによるコミュニティ作りも専門としており、私が専門とする介護・福祉との初コラボの視察でもあります。途中からは弁護士で全衆議院議員の椎名つよしさんも合流しました。

「あなたが あなたらしく 生活できるように 地域をタガヤします」という事業所理念は、地域の人と人を繋ぐハブのようなもの。

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1.空き家×介護

築年数が何十年と経過した賃貸アパート。世田谷区といえども駅から遠いと、なかなか入居者は入りません。リフォームをしても人が入らない。家賃を下げればまだ入居者は来てくれるけれど、このままではいつかは家賃はゼロになるのでは?

そのような中、家主の安藤さんは壊した部屋を貸してから内装を入居者とともに作る賃貸部屋を始めました。リフォームならず、リノベーション。そうすると、家賃を下げたわけでないにチラホラと人が入り始めるようになり。各々の入居者がそれぞれ好きな部屋作り。

すると、隣の部屋が気になるのか、住民同士が横のつながりをつくっていくようになりました。遠かった距離も自転車で行けば気持ちいい、だったら自転車置き場が必要だよね、と住民のみんなで自転車置き場を増築。その内、バーベキューをやったり、畑を作ったり。

気づいたらそこにはコミュニティができていました。

この発想を安藤さんの別の物件で始めたのが「タガヤセ大蔵」。二階建てのアパートの一階部分ん3部屋をつなげ、地元の社会福祉法人とコラボして、素敵なデイサービスを作りました。

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2.人と人のつながりを耕すデイ

このデイサービスの月間スケジュール表を拝見すると、多くのボランティアの皆さんが関わってくれていることが一目瞭然。認知症カフェや音楽など、いろんな人たちが関わっています。

地域の面白い人たちが集まってきています。タガヤセ大蔵の素敵な絵も絵描きさんがお仲間にいたそうです。

3.やはりマネジメント

リノベーションした物件を運営していくには、しっかりとしたマネジメントスキルが重要だと改めて感じました。この物件も3つの部屋を繋げて改築するときに、デイサービスの事業所が年間いくらまでの家賃ならば払えるのかという逆算によって内装にかけるお金も決まりました。

投資案件としてもしっかりと機能するスキームが存在します。ここら辺の経営感覚は今の介護・福祉事業所に最も必要なもの。

今回はリノーベーションや空き家対策等、私が最も勉強したいものさわりだけですが勉強することができました。

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視察にご対応頂いた安藤さんはじめ職員・利用者のみなさん、ありがとうございました!

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タガヤセ大蔵の紹介記事(greenz) 

タガヤセ大蔵のHP 
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2016年04月14日

介護・福祉の施設・活動を巡る旅24件目〜トゥモロー〜Music_of_Mind

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藤沢市大庭にあるカフェ「Music of Mind」を訪問してきました。NPO法人Music of Mindが運営する就労支援B型事業所です。知的障害児・者の方々が、コンサートの企画、オリジナルCDの制作・販売、演奏の他、手芸雑貨の製作・販売、カフェの運営などを行っています。

1.Music of Mindといえば、、、

音楽です。なんと、今日は私一人しかいないにも関わらず、アニーの主題歌で有名な「tomorrow」や「we are the world」の替え歌ご披露して頂きました。途中から他のお客さんもお越しになり、最後はMusic of Mindのオリジナル曲で終わりました。

みんなの歌に元気を頂きながらも、「tomorrow」を聞いていると、辛かった時を乗り越えてきたことが思い出され、涙腺が緩んでしまいました。

2.ガレット

昼食も頂きました。フランス北西部の郷土料理でそば粉を使ったガレットを頂きました。ここで使われているそば粉は無農薬の材料を求めて、福井県産のものを使ってるとのことでした。

初めて食べましたが、とても美味しかったです。

3.お洒落な空間

私が訪れてから、段々と地域の方々がお越しになり喫茶を楽しんでいました。光が差し開放感のあるお洒落な空間は、ちょっとした息抜きをするには最適かもしれません。

とにもかくにも、一度遊びに行ってみてください。音楽を感じてみてください。

素敵な音楽を聴かせて頂いた「Music of Mind」のみなさんに改めて感謝です!

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●「Music of Mindのホームページ(音楽も聴けます)
http://mofm.web.fc2.com/top.html
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2016年03月29日

介護・福祉の施設・活動を巡る旅23件目〜今必要なことは介護・福祉の規制緩和?富山型デイ・NPO@人しおんの家

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富山県富山市にあるNPO法人しおんの家が運営する富山型デイを視察しました。山田和子理事長から説明を伺い、施設内を見学しました。

富山型デイとは、「年齢や障害の有無にかかわらず、誰もが一緒に身近な地域でデイサービスを受けられる場所」で、平成5年に富山県内の看護師らが中心となって始めた取り組みです。福祉行政の縦割りを超越した取り組みとして全国的に注目されて、共生型施設として広がりを見せています。

共生型施設には様々な組み合わせがあり、しおんの家では高齢者・障害者・児のデイサービス、ショートステイサービス、ホームヘルプサービス、高齢者のグループホームなど、高齢者福祉・障害者福祉・保育等にかかる9つの事業を4つの施設でサービスを提供しています。

今回の視察を通じて、共生型施設の良い点とその背景にある解決しなければならない問題について考察します。

1.やりがいだけでは食べていけない

理事長のお話の中で、私が印象に残っているのは、「やりがいだけでは食べていけない」「介護職の低い賃金の中で今の福祉は成り立っている」という旨の発言です。

福祉に関わる人に散見される、思いややりがいさえあれば他のことは二の次(端的に言えば悪い待遇も仕方なし)という「『やりがい』万能主義または至上主義」に立たずに、しっかりと現在の介護・福祉にかかる問題点を直視している点に安心しました。

共生型施設は、高齢者から子供まで障害の有無にかかわらず対応することが必要なので、職員に求められる対応力や能力はより幅広いものが求められます。また、このような施設に就労する方々はやる気にあふれている傾向が強いと私は感じています。一方で、制度的な課題から賃金が低く抑えられている現状も今回の調査で明らかになりました。ここら辺のミスマッチに問題意識を持ち、解決を図っていこうとすることは、実は制度設計以前の問題として重要だと私は考えます。

特に富山型デイは近年では非常に注目され、国やメディアでも様々に取り上げられて行けば行くほど、この根本的な問題とのギャップに感じるものがあります。

2.NPOならではの枠外サービス

富山型デイサービスのキーワードは、「共生」「地域」「小規模」「多機能」であり、その求められる役割は多岐に渡ります。一方で、富山型デイも国の制度の枠内に位置付けらるようになり、結果的に「枠外サービス」と位置付けられるものが出てきました。

例えば、利用者様のお墓前りのお手伝いをしたり、家の中の雑用的なお手伝いをすることはニーズがありますが、制度の枠内では対応できません。

しかし、理事長は「このような枠外のサービスに対応することこそが、NPO法人にした一つの思い」との考えの下、枠外サービスの提供を行っています。但し、収益性について課題があるともおっしゃっていました。

3.規制緩和の必要性

福祉職の待遇や枠外サービスの問題について考えるとき、まず最初に考えられるのが「お金をつけること」です。確かに、公がお金を出せば、待遇の問題や枠外サービスの経済的な問題は解決します。しかし、予算は有限です。単純な金銭出動を議会で提案しても問題は解決しません。

次に考えられるのが、「規制緩和」です。理事長も説明の中で「人員配置基準を緩和してほしい」等の規制緩和の必要性を訴えていました。私も介護事業所の運営に関わるようになって感じたのは、経営を阻害する規制の多さや事務手続きの煩雑さです。

今回も人員配置基準などの現場の問題意識をいくつか頂きましたが、これらの点は議会でも取り上げていきたいと思います。

最後に、「共生」を目指す富山型デイの取り組みは非常に大切な方向性だと思います。高齢者・子供・障害者といった括りは行政による便宜的なものであり、人としての生活実態に沿ったものではありません。 「人」に注目し、行政の縦割りに挑戦してきた富山型デイの20年以上の取り組みは様々な可能性を私たちに提示し続けてくれています。

そして、現場の創意工夫が生かされ、関わる人がみな幸せに施設を運営していけるような環境を整えていくことが大切であると改めて感じました。

ご対応頂いた山田理事長始め職員のみなさん、ありがとうございました!

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●NPO法人しおんの家の紹介HP

http://www.toyamagata.com/sionnoie/

●「とやまの地域共生」(富山県による富山型デイのリーフレット)

http://www.toyama-kyosei.jp/wp-content/uploads/2014/03/toyama_mi_01_32.pdf
posted by 菅原直敏 at 17:36 | 介護・福祉の施設・活動を巡る旅 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年03月28日

介護・福祉の施設・活動を巡る旅22件目〜明治時代の社会起業・小野太三郎〜社会福祉法人陽風園

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石川県金沢市にある社会福祉法人「陽風園」を訪れました。前身は明治6年に実業家の小野太三郎翁が開園した「小野慈善院」と言えば、福祉を学んだ者であれば皆が知っているでしょう。日本で最も古い社会福祉施設の一つです。

1.小野太三郎翁と陽風園

小野太三郎翁は、古物商を営む実業家でしたが、自身も眼病のため障害を持っており、明治6年の私財を投じて家屋を購入し、盲人や生活困窮者の救貧事業を始めました。

その後、翁の思いは後進に引き継がれて現在に至ります。昭和天皇や今上天皇が行幸されたこともあるそうです。

翁の研究のために、研究者がやってくることもあるとのことでした。

2.福祉の総合デパート

陽風園は、救護施設から、老人ホーム、保育園、障害者支援施設など11の施設や事業を抱える石川県内でも最も大きい社会福祉法人の一つです。その意味では福祉の総合デパートと言っても過言ではありません。

現在は施設全体を大規模リニューアル中で、間も無く竣工する施設内も拝見しました。

同法人の施設運営は非常にオーソドックスなものとのことでしたが、「箱を作って魂がなければ意味がない」との考えから、人材育成・教育には力を入れていると総務課長がおっしゃっていました。

大規模法人で働く大きなメリットの一つは、特定の分野や部署を超えてキャリアを積んでいけることです。

小規模な事業所も、事業所間で連携をとることで、擬似的にこのようなキャリア形成を詰める仕組みができないかは課題です。

3.社会起業家と社会福祉法人

近年、日本では社会起業家(ソーシャルアントレプレナー)が注目されていますが、まさに小野太三郎翁こそ明治期の社会起業家と言えると思います。「対象者を制限せず、明治23年ころには、施設救済,金銭援助合わせて400人余となる。39年に事業を財団法人化するまでには延べ1万人余を独力で救済した。生涯を慈善事業に捧げ、その生活は質素を極めたという。(越孝之)」というほどです。

社会福祉を少し勉強すると、近代化の過程で日本の福祉を担ってきたのは、数多くの篤志家という名の社会起業家であることに驚かされます。

歴史のある社会福祉法人は、このような篤志家の系譜によっていることも少なくなく、むしろ社会福祉法人という制度がこのような篤志家を制度化したものと言えるかもしれません。

従って、最近は社会福祉法人に対する批判が増えていますが、批判する際もこのような社会福祉法人や日本の社会福祉の成り立ちをしっかりと理解した上で、批判をしていくべきであると私は常々思っています。

もちろん、戦後に設立された社会福祉法人の中には、このような先人たちの高邁な理念を忘れ、私益を追求する問題のある法人がないわけではありません。また、社会福祉法人という制度自体にも抜本的な見直しが必要な部分もあると私は考えています。ただ、社会福祉法人を十把一絡げにした議論は物事の本質を見誤り、日本の福祉の大幅な後退を招くと私は考えています。

日本の福祉の重みに触れることができた素晴らしい見学になりました。

対応してくださった絹川総務課長、ありがとうございました!

千里の道も一歩から

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神奈川県外訪問施設・活動:4件
posted by 菅原直敏 at 12:30 | 介護・福祉の施設・活動を巡る旅 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年02月03日

介護・福祉の施設・活動を巡る旅21件目〜バリアアリー〜夢のみずうみ村(山口デイサービスセンター)


山口県山口市の山間にある「夢のみずうみ村(山口デイサービスセンター)」を訪問し、利用者でありながら水先案内人を務める杉山さん(90歳を超えて要支援2だそうです!)の案内で施設内を視察しました。

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1.バリアアリー

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この施設の特徴は何と言っても「バリアアリー」です。「バリアアリー」とは「バリアフリー」の反対の意味を持つ造語ですが、廊下などでは、意図的に坂を作ったり、手すりを付けていなかったりします。「どこにも手すりがあって、段差がない施設は、高齢者が自らがんばって、身体を回復させようとする意欲を奪ってしまう」という考え方に基づくものです。

ここら辺の発想は理解できますが、いざ実行しようとするとなかなか難しいことです。

また、この施設では来所時に利用者が自ら1日のメニューを選びます。何十人規模のデイサービスでは、利用者が同一のメニューをこなしていくということはよく見られる風景ですが、ここでは本当に一人一人が自らの望むことに取り組んでいます。なお、ご案内頂いた杉山さんの1日のメニューの中に「水先案内」という項目がありました。

2.調度品にはお金をかけないが、利用者への投資は惜しまない

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施設は大きな倉庫を拡張していったような感じで、多くのテーブルやタンスなどはリサイクルで入手してきたものだそうです。一方で業務用のパン焼き器や陶芸焼き器のような異色の機械類がやけに充実しています。杉山さん曰く「家具類や施設の内装などに多額の費用をかけるのは無駄」だそうですが、一方で「利用者のためになるものであれば理事長はお金をかけることを惜しまない。」とのことでした。

ここら辺の徹底は今後の介護施設のあり方を考える上では非常に重要な視点であると感じました。多額の税金を投入して非常に豪華な設備を整えた特別養護老人ホームもあっても良いですが、既存の建物や物品を活用していくことで対応していくことも選択肢としては十分にありえるからです。

3.とりあえず面白いことを実践

この施設では地域通貨(yume:「ゆ〜め」と読む)が流通していたり、廊下には隙間なくクイズやスタンプラリーなどがひしめき合っていたり、はたまたなぜか列車の座席が廊下に設置されていたりとある種のカオスです。
でも、利用者が楽しく過ごせそうなものがあれば、貪欲にそれを取り入れていこうという姿勢は非常に共感しました。

また、自閉症の子どもたちが集う部屋も敷設されていました。縦割りを排した取り組みは今後もっと広がっていくと良いです。

●自分の中の視点の変化

実はこの施設は6年ほど前に県議会の社会問題調査特別委員会で訪れたことで印象に残っていた施設でした。今回この施設を調査先に選んだのは、同僚の議員にこのユニークな取り組みを視察してもらうことで介護施設の多様性の重要性を知ってもらいたかったことと、もう一つは自分自身の捉え方の違いを比較したかったということです。
6年前は介護の仕事をしておらず、介護にかかる知識もほとんどありませんでした。しかし、介護職を経験してこの施設を改めて視察した今回は、前回とは全く視点が異なるのを強く感じました。特に最近は施設経営に関わっているので尚更です。

この施設の抱える矛盾は、介護保険制度について実践をもって問題提起をしているにも関わらず、介護保険制度の中で運営されているという点です。介護度が下がれば介護報酬が下がるという点については今までも指摘されていた問題ですが、今後は要支援者の扱いがどうなるのかによってこのような施設は経営基盤が大きく揺らぐのではないでしょうか。

私がこの施設の利用者とお話をしていて驚いたのは、非常にこの施設が好きで、中には電車で何十分もかけてお越しになっている人もいるということです。同僚が「こんなに活き活きした高齢者が多い施設は初めて。」と言っていましたが、ここまで熱烈なファンがいることはすごいことです。

このような(介護保険制度の視点では)奇抜かもしれないけれど、それなりの成果を出しており、利用者に愛されるような施設が継続していけるような制度設計を提案していきたいです。

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最後になりましたが、熱心にご案内をしてくださった杉山さんを始めとするスタッフの方々に感謝です。

ありがとうございました!!

千里の道も一歩から

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神奈川県外訪問施設・活動:3件

夢のみずうみ村のホームページ http://www.yumenomizuumi.com
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2015年12月18日

介護・福祉の施設・活動を巡る旅20件目〜いしだ歯科クリニック〜訪問する歯医者さん


今日は中央林間にあるいしだ歯科クリニックの石田先生に同行し、訪問歯科診療を見学しました。

独居の認知症の女性宅と知的障害の方々が住まうグループホームが訪問先でした。

1.相手先の環境での診療

訪問診療は院内診療と違い、診療環境が整っているわけではありません。それぞれの室内環境に合わせて治療をします。

抜歯の様子も見学しましたが、先生も色々と工夫をされていました。

認知症の方の場合、処方した薬の服薬忘れや入れ歯の紛失に気を使うとのことでした。

2.診療報酬と経営

訪問診療では16キロの範囲内の患者さんを保険診療できるそうです。これは全国一律だそうです。神奈川県内の16キロと北海道の大平原の16キロでは自ずと距離感覚は違いますから、もう少し柔軟なルール作りがあってもよいかなと感じました。

訪問診療については、いくつかの加算があるようですが、結局は距離が離れていて効率的に回れない場合は採算性が落ちます。ここら辺が1つの課題です。

3.口腔ケアの重要性

今日は認知症の方と知的障害の方々を診療しましたが、自分で上手く歯を磨けない人もおり、改めてデイサービスや施設で行われる口腔ケアの重要性を再認識しました。

道中や診療の際、先生からポイントをお伺いしましたが、私の事業所でも研修の必要性を感じました。

助手のスタッフを帯同し、軽ワゴンで都県内を颯爽と移動し、テキパキと診療をこなしていく先生を見て、訪問歯科診療はタフなお仕事であると感じると同時に、ただただ凄いと感心しきりでした。

診療している姿は単純にカッコ良かったです。

白衣を着ながら、初めて間近で歯科診療を見学できたことは、私にとって非常に大きな経験でした。

石田先生、スタッフのみなさん、夜遅くまでありがとうございました!

千里の道も一歩から

大 和市内訪問施設・活動:10件
神奈川県内訪問施設・活動:8件
神奈川県外訪問施設・活動:2件

いしだ歯科クリニックのホームページ

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2015年11月26日

介護・福祉の施設・活動を巡る旅19件目〜社会福祉法人やまねっと〜作業所に仕事を出してみよう。

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社会福祉法人やまねっとが事務局を構える大和泉の森作業所を訪問。

やまねっとは、主に大和市に住む障害者の地域生活を支援し、地域における社会福祉の増進に寄与することを目的として平成25年に設立されました。

やまねっとは大和市内にある7つのいわゆる作業所へ仕事の斡旋も行っています。

今回は議員としてお願いしたい仕事があり、お伺いました。

共生社会のために、うまく進むと良いと思っています。

千里の道も一歩から

大 和市内訪問施設・活動:9件
神奈川県内訪問施設・活動:8件
神奈川県外訪問施設・活動:2件

 
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2015年10月06日

介護・福祉の施設・活動を巡る旅18件目〜桜ヶ丘中央病院〜PT、OT、STの役割と違いとは??


桜ヶ丘中央病院リハビリテーション科を訪れ、理学療法士の科長と言語聴覚士の先生からPT(理学療法士)、OT(作業療法士)、ST(言語聴覚士)の現状や役割を伺い、院内の見学をしました。

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●開放的な空間と多数のスタッフ

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桜ヶ丘中央病院は昭和55年の開設ですが、平成25年4月に新築移転した非常に綺麗な病院です。私が最初に訪れたリハビリテーション科は最上階の7階にあり、全方位に窓がある開放的な空間で、眺めも最高でした。
同科のスタッフ数はPT:45名/OT:13名/ST:9名となっており、大和市内では2番目の大きさとのことでした。スタッフ数が多ければそれだけ様々な知見を得る機会も多いため、信頼感が増します。

●PT、OT、STの違い

介護職として専門職の方々と接する機会も多いですが、PT、OT、STの違いを明確に説明することは以外と難しいと感じていました。業務独占ではなく名称独占であり、近接する役割も少なくないためです。
私自身、PT、OT、ST全てが揃う現場を見学するのは初めてでしたが、科長の説明を受けながら院内を回ることでこの区分けが以前より明確になりました。

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●地域連携

同科では地域連携にも力を入れています。地域包括と連携したり、市内の施設と連携したりしているとのことでした。小さな介護事業所ですと、専門職を直接雇用していくことは非常に困難です。地域の中核的なリハビリ科を持つ病院が地域連携に積極的なことは非常に心強いと感じます。
高齢化の進展し、今後PT、OT、STの果たす役割はますます大きくなると同時に、人数も必要になります。大和市南部地域にこのようなしっかりとしたリハビリテーション科を擁する病院があることは非常に頼もしい限りです。
急な視察に対応してくださった科長の川越先生、言語聴覚士の加藤先生を初めとしたスタッフのみなさん、ありがとうございました!!

千里の道も一歩から

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2015年08月27日

介護・福祉の施設・活動を巡る旅16件目〜健軍くらしささえ愛工房(特定非営利活動法人おーさぁ)〜究極の多機能施設??



熊本県熊本市にある「健軍くらしささえ愛工房(特定非営利活動法人おーさぁ:理事長小笠原嘉祐)」を視察しました。

施設内を見学し、理事長、施設長及びキャリアコンサルタントから説明を受け、その後近隣の商店街における「地域縁がわ事業」の取り組みを視察しました。

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特定非営利法人おーさぁの理念は「共生」であり、「地域と密着した共生型多機能施設」を目指しています。

高齢者と障害者の共生する施設は、数は少ないですが全国的には散見されます。それに子供を加えたものもまだ存在します。しかし、健軍くらしささえ愛工房」はそれらの3カテゴリーに留まらず、若者就労支援、生活保護者の自立支援や地域の場作りまでをも業務にするまさに「共生型多機能施設」です。

従って、高齢者と障害者のデイサービスがあり、保育所があり、若者や生活保護者の就労の場があり、カフェスペースがあり、そして商店街の空き店舗利用事業があります。

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介護業界では近年「小規模多機能型居宅介護」が注目されていますが、その視点からは分野横断的な究極の多機能施設と言えるかもしれません。

1.人こそ重要

●強い思いに勝るものはなし

同法人の設立は10年前に遡ります。当時、建軍県営団地の建て替えの計画が上がり、一階部分を国内で類を見ない共生型施設の運営を県が運営する主体の募集をかけました。

精神科の医師でもあり、医療法人と社会福祉法人を経営していた小笠原理事長がデンマーク型の共生型の福祉のよいところを実現するための施設を作ってみたいとの強い思いで公募に申請したとのことでした。

当初は社会福祉法人での申請を検討していましたが、インフォーマルな活動を行っていくためにはNPO法人の方が適していると考え、医療法人や社会福祉法人が公募に応じる中、NPO法人としてプレゼンを行い、選定されました。

「社会福祉法人は経営が安定しているが制度に縛られる。NPO法人は経営が安定していないが制度に縛られない」との理事長のお話は両制度の違いを端的に表していると受け止めました。

しかし、開所後数年は赤字が続き、理事長が遅れて説明会場に来る前の施設長の説明では、「相当理事長が寄付や借財」を負担したとのことでした。思い無くしてはできないことです。

なお、県は箱の建設費用はもつが運営については自立運営を求めて公募をかけており、施設スペースの賃貸料年間700万円程度をしっかり県に収めているとのことです。また、行政からの委託事業は受けているが、補助金は受け取っていないとのことでした。

●行政のトップが福祉に精通していることの重要性

この手の話をするとき、理事長の熱い思いにばかり焦点がいきがちですが、私がもう一つ着目したのが国内に類をみない共生型施設を作ろうと発案した県の姿勢です。

実は当時の県知事は潮谷義子さんで、全国で2番目に女性として知事になられた方でした。その経歴が非常に興味深く、日本社会福祉事業大学(福祉の東大とも評される)を卒業後、佐賀県と熊本県で社会福祉主事を務め、慈愛園乳児ホームの園長をずっと勤めてきた方です。まさに福祉分野のエキスパートです。

ただ、通常このような福祉オンリーの人が政治の世界で知事になることはまずあり得ないのですが、前知事の福祉政策のブレーンとして副知事に抜擢され、その後の前知事の急死と、女性初の太田房江大阪府知事の流れもあり、知事となりました。偶然の賜物です。

このような福祉畑の知事の下、国内に類を見ない共生施設の取り組みが発案されました。

行政のトップに福祉に精通した人がなることで大きな取り組みの変化が現れることの好例です。

●適材適所

これだけ多様な取り組みを行う施設なので、全体を把握し、運営をしていく責任者は大変なのではと私は感じました。

施設長の宮川さんは元々社会福祉協議会にいらっしゃった女性で、理事長がお願いをして施設長になってもらったとのこと。説明を伺っていても、理事長の理念をしっかりと理解し私たちに伝えてくれました。

任せる人に適材適所の方がいたというのも大切な要素だと感じました。



2.徹底した地域ニーズの吸い上げ

理事長曰く、「当初はここまで多機能なものは想定していなかった」とのことでした。しかし、職員を徹底的に地域へ歩かせ、座談会やワークショップなどを通じて地域ニーズを調査していった結果、このような類を見ない多機能型施設に変貌していったとのことでした。

例えば、若者就労支援は、コンビニでたむろする若者たちをなんとかできないかといった地域の声などから始まったそうです。若者の居場所をまず作るためにゲームをスペースにおいたそうです。そこで集まってきた若者の中から働きたい人には就労の場を提供し、例えばカフェスペースのバイキングの食事を作ったりして給与を得ています。そのことが自信となりさらなる資格をとったり、新しい適正が見つかり事務職になったりする人もいるそうです。

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こんな(ともすると適当な)感じで始まりました地域の若者支援が、今では県の委託事業として若者サポートステーションを受託し、平成25年度実績では5千人上の来所者がいるそうです。


また、私が施設に訪れたとき、施設長から職員の多くは現在地域を回っていますというお話が印象的でした。これは福祉技術では最も基本的な「アウトリーチ」ですが、ともすると多くの福祉施設や関係者がおざなりにしている部分です。この多機能さの背景に徹底したアウトリーチがあると推察するには十分でした。

なお、これらの地域回りを行っているのは精神保健福祉士、社会福祉士、臨床心理士、キャリアカウンセラーなどの専門職が中心です。

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3.適切かつハングリーな経営

●適切な経営なくして理念の実現なし

このような活動において「思い」こそ重要ですが、実はそれと同じかそれ以上に重要なのは「経営」です。

私が視察先に訪れた時にまず感じたのは、事務的なオペレーションがしっかりしていそうだという印象です。事務スペースが整然とし、仕事をする形になっていたためです。また、同団体は80人程度の雇用を創出していますが、社会保険労務士の職員もいることからもわかるように、雇用体制や労働環境にも気を配っているようでした。

そもそも、これだけ多種多様な事業を回すことは事務方がしっかりとしていなければできません。「NPOの基金は7万円だが事業規模は2億円」という理事長の説明がありましたが、億単位の事業を回していくことは、通常の企業並みの経営が担保されなければ非常に困難です。「県民としての当たり前の感覚を尺度とした透明性の高い運営をします。」という理念が生きています。

思うに、理事長が医療法人や社会福祉法人を運営している経験も相当生かされているのではないかと推察します。

いずれにせよ、思いばかりが先行し経営が続かなくなるNPOが多い中で、10年近くもしっかりとした経営を続けることは大変参考になります。

●お金が厳しい方が励みになる

理事長が社会福祉法人ではなくNPO法人を運営主体として選択したのは、制度に縛られずに柔軟なインフォーマルサービスを提供するためにより適切な主体がNPOだったからです。

ただ、それとは引き換えに常に財政的な不安定さを抱えていて辛い部分もあると率直な感想も述べられていました。しかし、「お金が厳しいから、励みになる」とも続けました。つまり、財源がないからどうやって作ろうかということに職員一丸となって思案するからです。

施設長が「行政には私たちのやっていることはできません。人件費が高いからです。」と述べられていましたが、裏を返せば費用対効果の合わない事業にも高額な人件費を払えるほどの安定基盤を持っている行政には「財源を自ら生み出し事業運営をする」ということを「熱心に考えること」が構造的に困難であることを物語っています。

安定基盤を持つことは好ましいことなのですが、その弊害としてイノヴェーションを起こすための「思考」という行為が失われがちです 。特にお金になりにくいインフォーマルあるいは制度の狭間の支援においては尚更です。

厳しい現状をハングリーな創造性につなげて、運営の原動力にしていく理事長の姿勢は大いに共感します。



以上、多機能なだけに他にもたくさん触れたいこともあるのですが、ここらへんで。

ただ、一点感じたことはこの施設自体は、デイサービス、保育所、就労支援のカフェスペースなどが複合的に入っており、毎月50万円以上の家賃がかかっていることからもわかるように非常に広いです。また、スタートアップのスペース建設費用については県費負担でもあります。

従って、このような形式の多機能施設を即ち他の施設で簡単にできるかといわれれば、ハード面、人材面などで簡単ではありません。

が、小笠原理事長的に考えれば、思いのある人が集まり頭を使って、ハングリーに進んでいけば色々なやりようはあるのだと思います。

ある特定の分野に限らず、様々な人たちの共生できる地域・社会を作ることを目指している私にとっては非常に刺激的な視察でした。

小笠原理事長、宮川施設長、キャリアコンサルタントの安川さんを始め、対応してくださった全ての方々に感謝です!

千里の道も一歩から

大 和市内訪問施設・活動:7件
神奈川県内訪問施設・活動:7件
神奈川県外訪問施設・活動:2件

参考:
特定非営利法人おーさぁのホームページ http://www.kengun.net/osa/panfu/

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