2016年06月21日

介護・福祉の施設・活動を巡る旅32件目?里親とは何ぞや??里親センターひこばえ

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神奈川県が社会福祉法人唐池学園に委託している「里親センターひこばえ」を視察しました。同センターは里親制度の普及啓発を促進するため、県里親会及び地区里親会、各児童相談所の所管区域ごとに設置している「家庭支援センター」等と連携し、全県的な里親候補の掘り起し、新規里親の開拓を進めるとともに地域における里親制度の理解を促進すること、また、虐待等により、児童相談所が里親に委託した子供と日常生活を共にする里親に対して、養育スキルの向上や児童心理の専門知識のある相談員への相談を行う場を作ることを目的としています。主な事業として、「普及啓発」「里親支援」及び「委託推進」の3つの事業を行っています。

神奈川県の担当課長と職員の方にも同行して頂き、里親支援専門相談員の矢内さんからセンターの概要についてご説明を頂き、その後、親子での料理教室に参加させて頂きました。

1.里親の普及啓発の困難さ

「里親という言葉」を知らない人はほとんどいないでしょうが、「里親が何たるか」を正しく理解していない人は結構いるのではないかというのが私の実感です。実際、現場で福祉に関わる人の中にも理解が曖昧な人が多いとのことでした。

その理由としては、里親自体が身近でないということが挙げられると思います。私自身も大学院の授業や同センターを訪れるまで里親という概念や里親の皆さんに実際に触れたことはありませんでした。

次の理由として、制度が多少複雑である点も挙げられると思います。里親といっても、「3日里親事業」のように短期的に児童を預かるものから、18歳になるまで長期的に養育するものもあります。また、通常の養育里親だけでなく専門的な研修を受けた専門里親という制度もあり、養子縁組とは異なります。

矢内さんもこの点は課題として捉えており、漫然と普及啓発に取り組むのではなく、対象を絞っての普及啓発に取り組んでいるとのことでした。人的、経済的資源が有限な中、このような戦略的な取り組みは重要であると感じました。

2.里親センターの意義

神奈川県には従来より、各児童相談所に設置された「家庭支援センター」もあり、各地域ごとに里親促進や交流の活動も行われています。従って、里親センターの意義は「地域性」よりも「全県性」に求められます。

私が視察した際も、地域の異なる里親さんが子供達を連れ、お料理教室を通じて交流をし、意見交換をされていました。

また、もう一点里親さんとお話をする中で、同センターの意義を確認しました。それは、従来の児童相談所では「敷居が高い」と感じる人もいるということです。確かに、アパートの最上階をアットホームに活用している同センターでは、職員の皆さんも比較的フレンドリーな印象を持ちました。

そして、何よりも里親支援専門相談員の矢内さんから並々ならぬ意気込みを感じました。母体の唐池学園が児童福祉において県内の老舗であることも影響しているのかもれません。結局は福祉に関わる施設や制度はどんなに見た目が良い箱を作っても、中身にいる人が良くなければ機能しません。

3.里親のみなさんと接して

お料理教室を通じて里親の方々や子供達と接し、食事をしながら意見交換をする機会を頂きました。これは私にとって非常に貴重な機会でした。お話をさせて頂くと、座学で学んでいる「社会的養護」とは異なる「里親像」も垣間見ることができたためです。

例えば、里親研修を受け、登録された里親の方はすぐに長期的な養育里親となるわけではなく、その間何名もの短期的な里親を経験することも少なくないということです。

また、研修を通じて、里親に対する考え方を改める方も少なくないようです。里親の中には不妊治療の末に里親を考える方も少なくありません。しかし、研修の家庭において「子供の最善の利益」とは何かという点について学び、良い意味で肩の力を抜いて里親というものを捉えるようになった例もあるという点です。

他にも、頂いたご意見は全て貴重なものでした。

以上、今回の視察を通じて、改めて里親制度について考えさせられると同時に、制度の理解を様々な視点で進めていくことが重要であると認識しました。また、開所より一年足らずと手探りな状態ですが、同センターの取り組みと職員の皆さんの熱意が良い形で里親の皆さんに還元されていくことを期待しています。

矢内さんや職員の皆さん、小島課長と職員の方、そして里親と子供の皆さん、ご対応頂きありがとうございました。

千里の道も一歩から
大 和市内訪問施設・活動:12件
神奈川県内訪問施設・活動:11件
神奈川県外訪問施設・活動:9件

●里親センターひこばえHP
http://www.sato-hikobae.org
posted by 菅原直敏 at 08:16 | 介護・福祉の施設・活動を巡る旅 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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