2016年05月25日

政務活動費は第2の給与ではなく公金(交付金)です。

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本日、平成27年度の政務活動費について残額の返金手続きをしました。一昨年の元兵庫県議会議員の号泣会見や、いくつかの地方議会における政務活動費不正支出の報道等により、再び政務活動費について疑惑の目が向けられるようになりましたので、何点か私の考えをお伝えします。

1.政務活動費は「第2の給与」ではない

政務活動費は「第2の給与」といった表現がされることがあります。しかし、政務活動費は交付金ですので、第2の給与ではありません。残額は返還します。

以前、何かの雑誌で議員の収入として「報酬と政務活動費の総額」を示しているものを見かけたことがありますが、筆者が制度を理解していないか、そうでなければ世論を誤導させる意図的な記事です。

もちろん、政務活動費を「第2の給与」と勘違いしているような使い方をしてきた議員は過去にいたかもしれませんが、それはその議員の問題であり、事実が判明すれば犯罪に問われます。当然、第2の給与ならば犯罪に問われません。

政務活動費の是非を議論することは大いにするべきだと思いますが、その議論の前提となる部分を誤導するような報道は避けるべきです。

なお、議員報酬削減の議論の際に、報酬ではなく政務活動費を下げるべきと主張する議員がたまにいます。政務活動費が返還をしなければならない交付金であることを考えると、報酬削減の論点をすり替えた主張であると私は考えています。

2.残額が多いから偉いわけではない

政務活動費の交付額が公開されると、メディアの中には「残額のあるなし」についての報道をするものもあります。おそらく、「残額がない→使い切った」という点について興味を寄せる読者がいると想定しているからでしょう。

「使い切った」という表現が消極的表現であることは論を待ちませんが、そのレッテルを貼られることを恐れて、敢えて残額を残す議員がいます。あるいは残額の多さを誇る議員も少なからずいます。

しかし、大切なことは「残額があるかないか→使い切った否か」という点ではなく、その活動費を用いてどのような議会活動を展開したかに焦点をあてることではないでしょうか。残額が多く残っても議会活動での成果が上がらなければ使い方としては改善の余地があるでしょうし、その逆もしかりです。

最近、欧州の視察に2週間ほど行った議員が100ページ以上の素晴らしい視察報告書をWEBにアップしていました。これほど中身のある視察であれば有益でしょうし、報告書を通じて市民や全国の議員にも知見が共有されるので極めて成果的だと私は感じました。

以前、県内の基礎自治体の議員で4年間政務活動費を1円も使わないことを熱心に訴えている方がいました。政務活動費を1円も使わないことは個々の議員の考えなので良いとは思いますが、そのことで他の議員に対して優越感を持ったり有権者に誇ることは少し違うと思います。なお、その方は昨年の統一地方選挙で惨敗をして落選をされていました。活動費を用いてしっかりとした議会活動を展開されていれば結果は違ったかもしれません。

3.神奈川県議会

神奈川県議会では以前オンブズマンに訴えられ、億単位の返還を全体でしなければならないという残念な経緯がありました。しかし、そのことがきっかけになり、政務活動費の運用の適正化を求める熱心な議員たちの活動もあり、かなり適正な運用がなされるようになりました。あの裁判がなければ、少し前の兵庫県議会のようないい加減な運用が続き、もっと大きな問題となっていたかもしれません。

自己確認だけでなく、事務局のチェックを何度も受けて、不適切な支出がないかなどを確認してから議長に最終報告します。私の所属会派ではさらに税理士による外部監査も行いました。また、情報公開によって県民誰もがその内容を閲覧可能です。

従って、事務処理によるケアレスミスはあるかもしれませんが、悪意のある不適切な支出は基本的に存在しないと思います。

最後に、私自身市議会議員から県議会議員になったときに最も怖かったことの一つは多額の政務活動費(当時は政務調査費)をしっかりと処理できるかという点でした。大和市議会の政務活動費は年間42万円に対し、神奈川県議会は636万円です。

私は毎年年度始めに年間活動計画と政務活動費の予算書を作り(ラフな形では4年間の活動計画と予算もあります)、その下に運用しています。今年は50,280円の残額が残りましたが、残額が残らない年ももちろんあります。

私の政務活動費への評価は、私の議会での活動を通じて頂くのみです。

千里の道も一歩から
posted by 菅原直敏 at 21:55 | 神奈川県議会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする