2015年08月28日

産業労働常任委員会県外調査3日目

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北九州産業観光センターにて、近代産業の各種資源を活用した産業観光の取り組みを調査しました。
八幡製鉄所は有名ですが、おトイレで身近なTOTOや、明細地図やカーナビやグーグルマップに地図データを提供しているゼンリンも北九州市の企業です。

千里の道も一歩から
posted by 菅原直敏 at 18:00 | 神奈川県議会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年08月27日

産業労働常任委員会県外調査2日目〜燃料電池自動車の可能性



産業労働常任委員会県外調査2日目の午後は、福岡市中部水処理センターを視察しました。

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下水処理の過程で発生するバイオガスから水素を製造する実証実験を、福岡市は九州大学、三菱化工機及び豊田通商とともに行っています。

下水処理の過程で生じるバイオガスの30%は未利用のまま処理されています。ここから水素を取り出すことで資源の有効利用を行う取り組みです。

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燃料電池自動車(FCV)は、水素を燃料とし、ガソリン車と違い排気ガスではなく水を最後に排出するため環境に優しい究極の自動車と言われています。

但し、それは水素を製造する過程で二酸化炭素を排出しないという条件があればです。

現在は水素を作るために化石燃料を用いることも多く、必ずしも燃料電池自動車の利用がカーボンニュートラルというわけではない現状があります。

福岡市の取り組みにおいては、カーボンニュートラル以上に、カーボンポジティブな取り組みであると説明を受けました。

FCVを進める本県でも非常に参考になる取り組みでした。

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千里の道も一歩から
posted by 菅原直敏 at 22:40 | 調査活動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

介護・福祉の施設・活動を巡る旅16件目〜健軍くらしささえ愛工房(特定非営利活動法人おーさぁ)〜究極の多機能施設??



熊本県熊本市にある「健軍くらしささえ愛工房(特定非営利活動法人おーさぁ:理事長小笠原嘉祐)」を視察しました。

施設内を見学し、理事長、施設長及びキャリアコンサルタントから説明を受け、その後近隣の商店街における「地域縁がわ事業」の取り組みを視察しました。

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特定非営利法人おーさぁの理念は「共生」であり、「地域と密着した共生型多機能施設」を目指しています。

高齢者と障害者の共生する施設は、数は少ないですが全国的には散見されます。それに子供を加えたものもまだ存在します。しかし、健軍くらしささえ愛工房」はそれらの3カテゴリーに留まらず、若者就労支援、生活保護者の自立支援や地域の場作りまでをも業務にするまさに「共生型多機能施設」です。

従って、高齢者と障害者のデイサービスがあり、保育所があり、若者や生活保護者の就労の場があり、カフェスペースがあり、そして商店街の空き店舗利用事業があります。

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介護業界では近年「小規模多機能型居宅介護」が注目されていますが、その視点からは分野横断的な究極の多機能施設と言えるかもしれません。

1.人こそ重要

●強い思いに勝るものはなし

同法人の設立は10年前に遡ります。当時、建軍県営団地の建て替えの計画が上がり、一階部分を国内で類を見ない共生型施設の運営を県が運営する主体の募集をかけました。

精神科の医師でもあり、医療法人と社会福祉法人を経営していた小笠原理事長がデンマーク型の共生型の福祉のよいところを実現するための施設を作ってみたいとの強い思いで公募に申請したとのことでした。

当初は社会福祉法人での申請を検討していましたが、インフォーマルな活動を行っていくためにはNPO法人の方が適していると考え、医療法人や社会福祉法人が公募に応じる中、NPO法人としてプレゼンを行い、選定されました。

「社会福祉法人は経営が安定しているが制度に縛られる。NPO法人は経営が安定していないが制度に縛られない」との理事長のお話は両制度の違いを端的に表していると受け止めました。

しかし、開所後数年は赤字が続き、理事長が遅れて説明会場に来る前の施設長の説明では、「相当理事長が寄付や借財」を負担したとのことでした。思い無くしてはできないことです。

なお、県は箱の建設費用はもつが運営については自立運営を求めて公募をかけており、施設スペースの賃貸料年間700万円程度をしっかり県に収めているとのことです。また、行政からの委託事業は受けているが、補助金は受け取っていないとのことでした。

●行政のトップが福祉に精通していることの重要性

この手の話をするとき、理事長の熱い思いにばかり焦点がいきがちですが、私がもう一つ着目したのが国内に類をみない共生型施設を作ろうと発案した県の姿勢です。

実は当時の県知事は潮谷義子さんで、全国で2番目に女性として知事になられた方でした。その経歴が非常に興味深く、日本社会福祉事業大学(福祉の東大とも評される)を卒業後、佐賀県と熊本県で社会福祉主事を務め、慈愛園乳児ホームの園長をずっと勤めてきた方です。まさに福祉分野のエキスパートです。

ただ、通常このような福祉オンリーの人が政治の世界で知事になることはまずあり得ないのですが、前知事の福祉政策のブレーンとして副知事に抜擢され、その後の前知事の急死と、女性初の太田房江大阪府知事の流れもあり、知事となりました。偶然の賜物です。

このような福祉畑の知事の下、国内に類を見ない共生施設の取り組みが発案されました。

行政のトップに福祉に精通した人がなることで大きな取り組みの変化が現れることの好例です。

●適材適所

これだけ多様な取り組みを行う施設なので、全体を把握し、運営をしていく責任者は大変なのではと私は感じました。

施設長の宮川さんは元々社会福祉協議会にいらっしゃった女性で、理事長がお願いをして施設長になってもらったとのこと。説明を伺っていても、理事長の理念をしっかりと理解し私たちに伝えてくれました。

任せる人に適材適所の方がいたというのも大切な要素だと感じました。



2.徹底した地域ニーズの吸い上げ

理事長曰く、「当初はここまで多機能なものは想定していなかった」とのことでした。しかし、職員を徹底的に地域へ歩かせ、座談会やワークショップなどを通じて地域ニーズを調査していった結果、このような類を見ない多機能型施設に変貌していったとのことでした。

例えば、若者就労支援は、コンビニでたむろする若者たちをなんとかできないかといった地域の声などから始まったそうです。若者の居場所をまず作るためにゲームをスペースにおいたそうです。そこで集まってきた若者の中から働きたい人には就労の場を提供し、例えばカフェスペースのバイキングの食事を作ったりして給与を得ています。そのことが自信となりさらなる資格をとったり、新しい適正が見つかり事務職になったりする人もいるそうです。

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こんな(ともすると適当な)感じで始まりました地域の若者支援が、今では県の委託事業として若者サポートステーションを受託し、平成25年度実績では5千人上の来所者がいるそうです。


また、私が施設に訪れたとき、施設長から職員の多くは現在地域を回っていますというお話が印象的でした。これは福祉技術では最も基本的な「アウトリーチ」ですが、ともすると多くの福祉施設や関係者がおざなりにしている部分です。この多機能さの背景に徹底したアウトリーチがあると推察するには十分でした。

なお、これらの地域回りを行っているのは精神保健福祉士、社会福祉士、臨床心理士、キャリアカウンセラーなどの専門職が中心です。

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3.適切かつハングリーな経営

●適切な経営なくして理念の実現なし

このような活動において「思い」こそ重要ですが、実はそれと同じかそれ以上に重要なのは「経営」です。

私が視察先に訪れた時にまず感じたのは、事務的なオペレーションがしっかりしていそうだという印象です。事務スペースが整然とし、仕事をする形になっていたためです。また、同団体は80人程度の雇用を創出していますが、社会保険労務士の職員もいることからもわかるように、雇用体制や労働環境にも気を配っているようでした。

そもそも、これだけ多種多様な事業を回すことは事務方がしっかりとしていなければできません。「NPOの基金は7万円だが事業規模は2億円」という理事長の説明がありましたが、億単位の事業を回していくことは、通常の企業並みの経営が担保されなければ非常に困難です。「県民としての当たり前の感覚を尺度とした透明性の高い運営をします。」という理念が生きています。

思うに、理事長が医療法人や社会福祉法人を運営している経験も相当生かされているのではないかと推察します。

いずれにせよ、思いばかりが先行し経営が続かなくなるNPOが多い中で、10年近くもしっかりとした経営を続けることは大変参考になります。

●お金が厳しい方が励みになる

理事長が社会福祉法人ではなくNPO法人を運営主体として選択したのは、制度に縛られずに柔軟なインフォーマルサービスを提供するためにより適切な主体がNPOだったからです。

ただ、それとは引き換えに常に財政的な不安定さを抱えていて辛い部分もあると率直な感想も述べられていました。しかし、「お金が厳しいから、励みになる」とも続けました。つまり、財源がないからどうやって作ろうかということに職員一丸となって思案するからです。

施設長が「行政には私たちのやっていることはできません。人件費が高いからです。」と述べられていましたが、裏を返せば費用対効果の合わない事業にも高額な人件費を払えるほどの安定基盤を持っている行政には「財源を自ら生み出し事業運営をする」ということを「熱心に考えること」が構造的に困難であることを物語っています。

安定基盤を持つことは好ましいことなのですが、その弊害としてイノヴェーションを起こすための「思考」という行為が失われがちです 。特にお金になりにくいインフォーマルあるいは制度の狭間の支援においては尚更です。

厳しい現状をハングリーな創造性につなげて、運営の原動力にしていく理事長の姿勢は大いに共感します。



以上、多機能なだけに他にもたくさん触れたいこともあるのですが、ここらへんで。

ただ、一点感じたことはこの施設自体は、デイサービス、保育所、就労支援のカフェスペースなどが複合的に入っており、毎月50万円以上の家賃がかかっていることからもわかるように非常に広いです。また、スタートアップのスペース建設費用については県費負担でもあります。

従って、このような形式の多機能施設を即ち他の施設で簡単にできるかといわれれば、ハード面、人材面などで簡単ではありません。

が、小笠原理事長的に考えれば、思いのある人が集まり頭を使って、ハングリーに進んでいけば色々なやりようはあるのだと思います。

ある特定の分野に限らず、様々な人たちの共生できる地域・社会を作ることを目指している私にとっては非常に刺激的な視察でした。

小笠原理事長、宮川施設長、キャリアコンサルタントの安川さんを始め、対応してくださった全ての方々に感謝です!

千里の道も一歩から

大 和市内訪問施設・活動:7件
神奈川県内訪問施設・活動:7件
神奈川県外訪問施設・活動:2件

参考:
特定非営利法人おーさぁのホームページ http://www.kengun.net/osa/panfu/

posted by 菅原直敏 at 22:05 | 介護・福祉の施設・活動を巡る旅 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年08月26日

産業労働常任委員会県外調査初日〜火山活動と風評被害にどう打ち勝つか

産業労働常任委員会の県外調査で、阿蘇火山博物館に於いて、「火山活動の温泉観光地への影響等」を調査しました。

阿蘇市役所と博物館の職員の方々にご説明を頂き、博物館内の見学を行ったり、遠巻きに目視ですが火山の雰囲気を眺めたりしました(但し、霧が濃いためよく見えず)。

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神奈川県の箱根山には現在火口周辺警報「噴火警戒レベル3」が発令され、一部入山規制が行われたり、噴火に関する正確な情報が国民に伝わっていない部分があったりで、観光客の減少が続いています。

阿蘇中岳は、平成26年8月30日に火口周辺警報「噴火警戒レベル2」が発令されました。その後も、孤立型微動及び火山性自身が多い状況で、火山性微動の振幅もやや大きい状態で推移しています。火口から半径約1km以内の立ち入りは禁止され、阿蘇山ロープウェーの運休などによる観光への影響も続いています。

神奈川県においても、大涌谷周辺(箱根山)の火山活動により観光への影響が出るなど、観光産業支援が課題となっており、熊本県や阿蘇市の観光への影響及び対応状況を調査することにより、今後の委員会審査の参考にすることが調査の目的です。

1.正確な情報を多様なネットワークで発信

 阿蘇では、日本人観光客の減少が一時見られたものの、外国人観光客を中心に客足が戻ってきているとのことでした。その背景として、阿蘇市や観光協会、博物館など阿蘇地域に関わる多様なネットワークで正確な情報を共有し、「何が問題で、何が問題でないのか」ということを的確に外部に発信していることが重要であると改めて感じました。

神奈川県でも箱根町などを後援しながら、県としても政策な情報を周知できるように外部への発信をさらに強めていく必要があります。


2.地元の人間の知見

 気象庁による噴火警戒レベルの発令は科学的な基準に基づいており重要ですが、一方で地元の住民の経験則も大切な判断要素です。阿蘇周辺に昔から住んでいる人にすれば、火山灰が降っている時に傘をさしながら通勤通学することもあったそうです。このような経験からどこまでが「危険でどこまでが危険でないのか」を発信している部分もあるとのことでした。

幸い、産業労働常任委員会には地元の高橋延幸議員が所属しており、委員会でも地元の知見や感覚が質疑に上がってきますが、行政からの情報では見えない気づかされることが多々あります。その他、多くの地域住民の知見も観光客の判断の材料の一つとして提供していくことも時として大切です。

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3.地元の思いや以降と県や国の支援をマッチさせること

 観光業の問題は第一義的にはやはりその地元の人たちが考えるべきだと改めて実感しました。そしてその上に適切な支援を県・国が行っていくことで初めて支援施策の相乗効果は生まれます。

本当に地元が以降に沿った形の支援になっているかという点は常に意識し柔軟に施策展開を図っていくことが本県においても大事です。

火山活動は自然災害ですので、安全のためには自然の摂理に従わなければならないことも少なくありません。一方、風評被害の類は事実を周知し観光客が適切な判断をできる状況で改善することができることを今回の調査から学びました。


千里の道も一歩から

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posted by 菅原直敏 at 17:00 | 調査活動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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