2015年07月17日

介護・福祉の施設・活動を巡る旅15件目〜みなみ風(特別養護老人ホーム)

大和市上草柳にある特別養護老人ホーム「みなみ風」(社会福祉法人プレマ会)を視察してきました。

設置から10年以上経っていますが、広々として非常に綺麗な施設です。 いつも地域回りの時に横目で眺めながら、緑の多い施設だなと感じていましたが、中も素敵でした。天気が良ければ、なお良かったです。

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施設長から施設だけでなく現在の介護制度のあり方についてのお話を伺い、その後施設内を見学しました。

1.介護職員の労働環境〜定員の根拠とは??

「1ユニットの入所定員は10人以下とする。」という基準がありますが、なぜ10名なのかということを厚生労働省の職員に施設長が質問したところ「根拠はない」とのことだったそうです。

一方で、高齢者福祉を専門とする大学教授などと研究をしたところ、利用者、労働者及び運営者の間の最適解は12名だそうです(当施設はたまたま12名だった。基準厳格化前のため。)。

法制度を作る側と現場との齟齬が現れた例と言えるかもしれません。時として規制が現場の柔軟な発想や運用を奪うこともあるので、制度設計する側ももっと現場のことを知る必要があると私は考えています。

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介護職員の処遇の話にもなりました。当施設は3交代制ですので、十数時間に及び長時間勤務がありません。「なぜ3交代制なのですか?」という問いに対しては、「集中力が続かないでしょう?」との答え。当たり前すぎるお答えなのですが、この当たり前のことが日本の労働法規の中では看過されていることが残念でならないです。このように実践する施設が増えることで変えていくしかありません。

2.社会的資源の活用

「特養の単なる増設は、県立高校100校計画のようなものだ」とはお互い一致しました。特養を増設するには税金も多額に必要ですし、地域によっては空室が目立つ特養も出始めています。良質な介護職員の確保も課題です。さらにピークを過ぎれば、現在の県立高校と同じように統廃合の議論が浮上するはずです。

施設のみに目を向けるのではなく、社会資源全体に目を向ける必要性についてお話をお伺いしました。例えば有料老人ホームは入居率が低いところも出てきているので、様々な形態の施設を全体のストックとして捉え、有効活用していく制度運用も検討する必要があります。

また、地域全体を一つの施設として捉えるならば、夜間巡回サービスなどを活用することで、自宅自体を居室と仮想することもできます(これこそが地域包括ケア??)。施設に例えるならば道路が廊下です。

特養のような施設の増設ばかりに目を向けるのではなく、社会的資源の有効活用によって対応をしていくべきではという施設長の基本姿勢は大いに共感するところです。

いずれにせよ、制度設計する役人や意思決定する政治家の中に、現場の多様なあり方をもっと把握した上で制度設計・運用の議論に臨む人が増えてくることと、社会的資源の活用に対する住民の意識変革が重要だと改めて感じました。

3.ボランティアの多さ

「年間延べ2000人のボランティアが関わってくれている」とは施設長の弁。中には毎日のようにお手伝いに来てくださる方もいるとのこと。特養はともすると敷居が高いのですが、地域のボランティアを積極的に受け入れ、また職員を地域に積極的にかかわらせようとする施設長の考えは非常に大切だと思いました。

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以上、大和の特養初視察ですが、非常に有意義なものとなりました。対応してくださった施設長の古谷田さん始め職員・ボランティアのみなさん、ありがとうございました!

大 和市内訪問施設・活動:7件
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千里の道も一歩から
posted by 菅原直敏 at 14:51 | 介護・福祉の施設・活動を巡る旅 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年07月12日

介護・福祉の施設・活動を巡る旅14件目〜ゆいま〜る高島平


団地マニア(!?)として、かねてより行ってみたかった高島平団地(東京都板橋区)に行きました。

高島平団地で「サービス付き高齢者向け住宅」を展開する「ゆいま〜る高島平(株式会社コミュニティネット)」の取り組みを見学するためです。

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高島平団地は、1972年に入居を開始した大規模集合住宅で、当時の日本住宅公団(現UR)が造成しました。賃貸・分譲を合わせると総世帯数は10,170戸であり、1990年代初頭のピーク時には2万5千人の人口(高島平1〜9丁目では5万人以上)を超えていました。

昭和を振り返る映像では必ずと言っていいほど出てくるレジェンド団地で、当時団地に住むことは最先端のライフスタイルだったそうです。

1.団地再生〜ハードではなくソフト

ゆいま〜る高島平のサービス付き高齢者向け住宅(以下住宅とする)は、団地内の部屋をリノベーションして、そこに生活支援サービスをのせるという一般的な取り組みです。
しかし、この事業の興味深い点は、「団地再生プロジェクト」にありがちな内装をリノベーションして提供することに主眼を置くのではなく、それらを通じてコミュニティ作りのあり方自体を再構築していこうとしていることです。

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例えば、形式としては一棟あるいはワンフロアを貸し切って全てをリノベーションするのではなく、一棟121戸ある団地内に30戸がアットランダムに配置されています。つまり、集約型ではなく分散型です。
ここには、高齢者のみが集約して集まって生活するのではなく、様々な世代の人たちが混住している当たり前の生活があります。多世代かつ多様な人たちが共生していくという企業理念がここに現れています。
また、リノベーションをしている「住宅」ではない世帯でも「サービス付き」の方は生活支援サービス費を払えば利用できます。

このような運用は、内装のリノベーションというハード面からのみ考えていると、なかなか思いつかない部分であり、はっとさせられました。

2.コミュニティスペース

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ゆいま〜る高島平の興味深い点の2つ目は、フロントがコミュニティスペースを形成しており、さらに板橋区内の他のコミュニティスペースとの連携を「いたばしコミュニティスペース連絡会」という形で行っていることです。
これは住宅の入居者だけではなく、高島平団地あるいは周辺地域の人たちも含めていかなるコミュニティを再構築していくかという点に焦点があるということです。毎日13〜15時の間、事務所スペースを解放し「高島平団地で暮らし続けるしくみをつくる会」やセミナー、趣味、サークル活動など様々な地域住民の取り組みが展開されています。

しかし、私がさらに興味を持ったのは、連絡会を構成するコミュニティスペース(現在14団体・個人)が非常に多様であることです。高齢者を対象とするものももちろんのこと、若者、障害者、外国人、親子、商店街、地域など各団体の対象は様々です。また、主体もNPOや株式会社から個人まで様々です。

高齢者のみに偏らず、多世代・多種類の人や地域を念頭に入れ共生の取り組みとなっている点が私にとっては非常に感銘する点でした。共存・共栄・共生は私の活動理念でもあるからです。

実際、連絡会は定例の集まりやフォーラムを開催することで、お互いに良い刺激と気づきを与え合っているようでした。高齢者のみを対象にした団体や個人の連絡会ではここまでの発展性は難しいと思います。

3.サービス付き高齢者住宅

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ここまで当たり前のように使用してきた「サービス付き高齢者住宅」(略して「サ高住」または「サ付き」と呼ぶらしい)ですが、介護に従事する人間であっても意外と何をもってサ高住とするのかは曖昧だったりします。

最たるものは有料老人ホームとは何が違うのかという点。さらに、有料老人ホームに該当するサ高住もあったりするため、さらに分かりづらいのですが、実際に見学し、説明を聞いてみるとその違いは理解できました。

しかし、ゆいま〜る高島平に入居する人でも、事前説明を受けながらも入居後混乱する人もいるようで、高齢者の住まいや介護を単一的に捉えている一般の人と提供する側とのギャップを感じました。

担当の方の熱心な説明のおかげで、改めてサービス付き高齢者住宅とは何かという点について整理できたのも収穫です。

以上、諸々触れてみましたが、「団地再生による高齢者への住宅提供」という上部の部分ではなく、その奥に潜む「多世代・多種類の人・地域が共生できるための団地再生」という理念に共感させられた見学でした。また、リノベーションのビフォー・アフターを見られたのも良い経験でした。

長時間お付き合い頂いた生活コーディネータの野田さん、仲介して頂いた渡辺さん、ありがとうございました!

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千里の道も一歩から
posted by 菅原直敏 at 20:00 | 介護・福祉の施設・活動を巡る旅 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年07月08日

【7/9テレビ放映】菅原直敏の代表質問

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過日、菅原直敏が行った代表質問のダイジェスト版がテレビ放映されます。

日 時:7月9日(木)、18時30分〜
放送局:テレビ神奈川
番組名:神奈川県議会中継
番組表: http://www.kanagawa-pref.stream.jfit.co.jp/…


また、神奈川県議会のホームページでは、全ての内容が録画中継でご覧いただけます。

URL: http://www.kanagawa-pref.stream.jfit.co.jp/…

よろしかったら、中継を通じて県議会の雰囲気を感じ、菅原直敏の質問もご覧ください。

千里の道も一歩から
posted by 菅原直敏 at 18:20 | 最新情報・その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする